保険に加入してから状況が変わったらどうしたらいいのか? Part1

こんにちは。SKPです。
いろいろなリスクや対策を考えて、生命保険に加入したけれど、数年たっても状況が全く変わらない、ということはないと思います。

個人であれば、生活環境が変わっていたり、結婚や出産などで家族が増えていたり。法人であれば、事業がより拡大していたり、従業員が増えたり。

必要な保障。つまり担保しなければならないリスクが増えた時、それを保障するために「新たに保険に加入する」のも手段の一つですが、既に入っている保険を「見直す」ということも大切になります。

今回から数回に分けて、そんな「見直し」の方法ついてご紹介していきます。文面のベースは【法人】向けとなりますが、個人として読み替えても基本は同じとなります。

まずは状況判断

まず、見直すといっても状況が分からないとどうしようもありまえせん。保険に加入した時より「状況が変わった」というのは基本的に以下の4パターンとなります。

1.経営(家計)の状況が良くなり、資金的余裕があり、
  必要な保障が減っている
2.経営(家計)の状況は良くなっているが、投資資金も増えており、
  必要な保障が増加している
3.経営(家計)の状況は悪化しているが、資金的な余裕はあり、
  必要な保障は大きく変わっていない
4.経営(家計)の状況が悪化しており、資金的な余裕もなくなっている

1.は一番よいパターンです。特になにかする必要はありませんが、見直しとすれば「余剰」となっている保障(保険)があれば解約の検討も必要です。将来の展望によっては、それに向けた保障を検討する必要はあるかもしれません。

2.は経営規模が拡大している最中。つまり経営・家計の【成長期】という状況です。こういった時は「保障の想定額」がどんどん大きくなっていきます。そのため、追加で不足分の保障を考えるか、資金的な余裕を作るために既存の保険の見直しが必要です。

3.は、既に保障額に対する担保を確保しているのであれば様子見。今後も悪化する可能性が高く、保障が現時点で担保できていない・不足している場合は、手遅れとなる前に保障を確保することを検討しなければなりません。

4.は最も問題となるパターンです。資金的な余裕がなく、保障を確保することが難しいにも関わらず、保障を確保しなければリスクが顕在化する可能性が最も高い状況です。この時点で「無保障」である場合は、「本当に最低限必要な保障額を満たした掛捨定期保険」に加入するという以外、対策が難しくなります。

これらのような状況の場合、「見直し」を優先させるべきなのは資金的に余裕が生まれていない「2と4」の状況です。この二つは「保険料の支払」が資金繰りを悪化させる原因になっている場合があるからです。では、どのような対策が考えられるか見ていきましょう。

対策:解約

まず一番に考えられるのは既契約保険の『解約』です。保障は無くなりますが、支払が多いのであればその原因をなくしてしまえ、ということですね。

なお、これ以降の【対策・見直し】については、基本的に「解約返戻金があるタイプの保険に加入している」ことを前提として述べていきます。掛捨の保険にしか加入していない場合は、正直「解約」しか保険として対応できる手法はありません。

解約返戻金がある保険を解約した場合、当然その分の保障はなくなりますが、『解約返戻金を一時金』として受け取ることができます。短期的に「この解約返戻金を運転資金・不足資金に充てる」ことができるということです。

しかし解約すれば保障がなくなりますので、必要な保障は「掛捨定期保険」で担保し保険料を圧縮。「保障と資金を両方確保する、2段構え」ということも検討できます。

このように2段構えとする場合は、掛捨定期保険は新規加入となるため、保険加入に際して審査が必要となります。健康状態によっては、その審査の通過が難しいという場合もあるでしょう。

対策:部分解約

このように保険の新規加入は難しい場合。もしくは現状の資金上、解約返戻金を全て受け取る必要がないという場合もあります。そういった時に検討できるのは『部分解約』です。

部分解約は文字通り「既存契約の一部分のみを解約する」というものです。仮に当初契約の保険金が3000万円だとした場合、保険金1000万円分(1/3)だけ解約する。といったイメージです。

この場合、保障としては差引2000万円が残り、解約した1000万円分に相当する解約返戻金を受け取ることができます。例えば保険金3000万円で、今の解約返戻金が2700万円だとした場合、保険金1000万円を部分解約したら、それに相当する返戻金900万円(2700万円×1000万円÷3000万円)が受け取れるということです。

また部分解約により保険金額が減少していますので、部分解約以降の保険料もその分だけ減少します。注意点としては、特約も合わせて解約される場合が多い、という点です。

この部分解約という手法は「見直し」というよりも、法人向けの「退職金目的で加入した保険」などでよく用いられます。

例えば「従業員退職金の外部積立をする」という意味で保険に加入する場合、従業員毎に加入するということもあるのですが、入社・退社の都度手続きを行う必要があり管理が煩雑になります。

そのため「辞めることのない社長・役員を被保険者」として一つの保険に加入し、従業員の退職に応じて、必要な金額分だけ部分解約をする。といった具合です。
 
また、『解約(厳密には「全部解約」と言います)』した場合、新たに保障を確保しようとすると新規契約で加入するしかありません。しかし以前加入した時と、新たに加入する時点では保険商品そのものの状況が異なります。

以前はあったけど今はもうないという保障・商品もあるため、全ては解約したくない、という時にもこの『部分解約』は有効な手段となります。


今回は「見直し・対策」の一つとして「解約・部分解約」をご紹介しました。これから少しニッチな内容となっていきますが、知っていれば使えるかも?というものです。

なお、部分解約を含めてこれから掲載していく「見直し・対策」の手法は保険会社や保険商品によって「できる・できない」がありますので、その点はご注意ください。

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