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詩にまつわる

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#吉増剛造

速度記号が必要な詩

速度記号が必要な詩

吉増剛造詩集『草書で書かれた、川』1977年、思潮社
高3の時に、おそらく京都書院で買った。京都書院では、「遊」や稲垣足穂、現代詩文庫、いろんなものを知り、買った。
吉増の詩には、速度記号が必要だ。
「多摩川 高麗川の 川のむこうに 不思議な 病院がたっていて 川を渡ると 消える」
と始まる冒頭の「老詩人」と、
「ぼくの歌集の第一頁には不思議な銅版画がある」
と始まる「空中散歩」では、自ずとスピー

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吉増剛造のプロセスの魅力

吉増剛造のプロセスの魅力

 2023年1月15日、元町映画館 で 井上春生監督、吉増剛造がジョナス・メカス の一周忌を訪ねるという映画『眩暈』。
 吉増さんの詩の誕生のプロセスを追い、ジョナス・メカスとの交流、ジョナスへの思い、ジョナスの魅力がよくわかることはもちろん、ニューヨークという街の魅力、移民である彼のまなざし、そこで詩が生まれること、そして吉増さんやメカスの表現をめぐる至言。
 この日は井上監督の舞台挨拶があり、

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