猿樂通信

メルマガ猿樂通信のバックナンバーです。こちらは銀行や信用金庫向けの教材開発をする、つむ…

猿樂通信

メルマガ猿樂通信のバックナンバーです。こちらは銀行や信用金庫向けの教材開発をする、つむぐ人たち(https://tsumugu-hit.org)の代表猿樂が配信しています。主に財務や金融の話題を手軽に読める長さでお届けしています。

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目次

このnoteの目次です メルマガバックナンバー2024/08/23配信 本当にあった粉飾決算その1 2024/08/16配信 経済動向で注目のイベントは… 2024/08/09配信 日経平均暴落 2024/08/02配信 日銀、追加利上げ決定! 2024/07/26配信 決算書を読めない中堅 2024/07/19配信 外国為替と金利の関係(後半)│金利ある世界 2024/07/12配信 外国為替と金利の関係(前半)│金利ある世界 2024/07/05配信 株式

    • 決算書を読めない中堅|2024/07/26配信分

      猿樂です (このnoteについて) 決算書を読めない若手、は よく言われてきたことですが、 その若手も中堅になり… 結果、未だに読めない という事象があるようです もちろん、 所要運転資金や債務償還年数 などはパッと計算できますし 実態債務超過かどうかは分かるでしょう そうした意味合いではなく 決算書を通して過去の企業活動を 正しく理解する という意味です こうした事は、 支店内でのコミュニケーションで 自然と身に付くものでしたが 薄れてきています その現れ

      • 本当にあった粉飾決算その1|2024/08/23配信分

        猿樂です (このnoteについて) 銀行や信用金庫に勤めていると 一度や二度ならず 粉飾決算に出会います ここでは、 これまで実際にあった事例をご紹介します ■架空在庫を3.5億円計上していた金券ショップ 金券ショップの在庫は、 当然ながら極めて換金しやすいです しかも在庫の回転が早く、 在庫のデータと実物の突合がしにくいです その事業特性を悪用して 売上を架空計上し、 その分を架空在庫で対応させていました 累積での架空在庫、実に3.5億円分です 数字上は、売

        • 経済動向で注目のイベントは…|2024/08/16配信分

          猿樂です (このnoteについて) 8月初旬での 日経平均の荒れ模様を受け、 金融機関の法人営業であるみなさんの 関心の高いことの1つとしては、 「いつ追加利上げがあるのか?」 ということかと思います。 見通しは難しいのですが、 年内を1つの区切りとしたときに 注目しておきたいイベントがあります それは何と言っても2つの選挙です ・米国大統領選挙 11月 トランプ氏は金融政策に積極的(利下げ推進)、 ハリス氏は不明(バイデン大統領はFRBに任せる方針だったのを引き

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          日経平均暴落|2024/08/09配信分

          猿樂です (このnoteについて) 日銀が追加利上げを発表したあと、 FOMCで9月利下げ実施がほぼ確実視され さらに米雇用統計が大幅に予想を下回ったことで 米景気後退懸念が高まりました。 これを受けて、 7/11には42,224円と史上最高値を記録していた日経平均株価は、 8/3 に2,217円(歴代2位) 8/5 には、4,451円(歴代1位) 下落して31,458円 となりました。 8/6は大幅な反発があり 34,000円台まで戻しましたが、 数日の間に2024年

          日経平均暴落|2024/08/09配信分

          日銀、追加利上げ決定!|2024/08/02配信分

          猿樂です (このnoteについて) 日銀が7/30.31で行われた 金融政策決定会合で 政策金利(無担保コールON)を 0.25%に引き上げることを決めました 早速、7/31同日に三菱UFJ銀行が、 短プラの引き上げを発表しました (1.475⇒1.625% +0.15%) これに対し、 地銀や信用金庫がいつ、どの程度の上げ幅で 追随するかが注目されます 植田総裁は 「0.500%が壁というわけではない」 と、ここにきてタカ派な発言をしており 年内にもう一弾の利上

          日銀、追加利上げ決定!|2024/08/02配信分

          外国為替と金利の関係(後半)│金利ある世界|2024/07/19配信分

          猿樂です (このnoteについて) 外国為替と金利の関係について 政策を踏まえてみていきます ドル円においては、 相手は米国、つまりFRBとなります いま、米国長期金利は4%超のところ、 政策金利は5%超で、 FRBは引締めから緩和に向かっています 米国利下げは、ドル円だけをみれば、 日本利上げと同じような効果なので 円高に向かうことになります 円高になると利下げ圧力となるため 急いで利上げをしていく必要がなくなります つまり、 FRBさんがガンガンいけば 日銀さ

          外国為替と金利の関係(後半)│金利ある世界|2024/07/19配信分

          外国為替と金利の関係(前半)│金利ある世界|2024/07/12配信分

          猿樂です (このnoteについて) 今回は外国為替と金利の関係についてです 外国為替、特にドル円は 金利と複雑な関係があります ①マーケットメカニズム ②政策 2つの観点でみていきましょう ①マーケットメカニズム マーケットメカニズムについては 循環的にみる必要があります (1)円安株高 ⇒ 金利上昇 ・海外に拠点のある上場企業が為替差益を得ることで株高になる、これにより金利が上がる ・円建でしか買えない日本国内の資産(不動産など)への海外からの投資意欲が高まり、

          外国為替と金利の関係(前半)│金利ある世界|2024/07/12配信分

          株式市場と金利の関係│金利ある世界|2024/07/05配信分

          猿樂です (このnoteについて) 前回は債券市場と金利の関係でした 今回は株式市場と金利の関係についてです この関係については、 上場企業の目線と投資家の目線で考えていくと分かりやすいです まず、上場企業の目線では 金利が下がったとき、 資金調達コストが下がるので 成長投資がしやすくなり、結果的に業績に反映され、株価が上がります 金利が上がったときはその逆です これに対し、投資家の目線では、 金利が下がったとき、 債券価格が上がるので、債券への投資がしにくくなります

          株式市場と金利の関係│金利ある世界|2024/07/05配信分

          長期金利と債券市場の関係│金利ある世界|2024/06/28配信分

          猿樂です (このnoteについて) 前回、 「長期金利」とだけ言うとき一般に 新発10年物国債流通利回り のことを指すとお伝えしました 債券の利回りのことを金利と呼ぶので、 金利は債券の市場で決まっているということです 債券と金利の関係について 簡単に説明するには、具体的な例を考えるといいです いま額面100円、満期まで1年の割引債を考えます 額面100円の割引債とは、 満期になったら元本100円で返ってくる債券で 途中の利払いがないものです この債券の価格がいま

          長期金利と債券市場の関係│金利ある世界|2024/06/28配信分

          短期金利、長期金利って具体的にはどの金利?│金利ある世界|2024/06/21配信分

          猿樂です (このnoteについて) 金利の話になると、 短期金利が〜 長期金利が〜 という話題が出てきますが、 短期・長期金利というのは、 カテゴリーの名前であって、 短期金利◯◯%、長期金利◯◯%という 金利があるわけではありません 具体的にはどの金利のことを指しているのでしょうか? 例えば日銀の話題での短期金利とは 無担保コール翌日物金利(いわゆる政策金利) 長期金利とは 新発10年物国債流通利回り を指します どちらも日経新聞でも具体的な数値を探すこと

          短期金利、長期金利って具体的にはどの金利?│金利ある世界|2024/06/21配信分

          利上げにより事業投資がしにくい?│金利ある世界|2024/06/14配信分

          猿樂です (このnoteについて) 経済学的には 「金利が上がると事業投資のための 資金調達が抑制される」 と考えます では、いまの日本国内における 中小企業の現実としてはどうでしょうか? 設備購入においては、 2/3は補助金や助成金を活用できることが多く 金利の影響は限定的に見えます また、各自治体による制度融資で 利息や信用保証料の補助も出てくるでしょう こうして考えると、 金利上昇で事業投資が冷え込むということは 中小企業においてはあまりないかもしれません

          利上げにより事業投資がしにくい?│金利ある世界|2024/06/14配信分

          利上げにより中小企業は苦しくなるか?│金利ある世界|2024/06/07配信分

          猿樂です (このnoteについて) 3月19日の日銀政策決定会合以来、 上がり続ける長期金利 このメルマガ執筆時点では 1.1%まできています 貸出金利も引き上げが予想され 既に住宅ローン金利は上がりはじめています 企業向けについても じわじわと上がってくるでしょう では、金利水準の上昇は どのように中小企業業績に影響するのか? ここではまず 支払利息の観点で考えてみます 借入金利が1%上がると、 利息増分は 平残10百万円⇒ 0.1百万円 平残100百万円⇒

          利上げにより中小企業は苦しくなるか?│金利ある世界|2024/06/07配信分

          野菜仲卸のお金の話4│業種別理解(卸売業)|2024/05/31配信分

          猿樂です (このnoteについて) 野菜仲卸のラストは 投資の話です そもそも、 市場内の仕入をするためには買参権が必要で、 できれば 市場内に事務所と店舗があった方がいいため 初期投資が必要です これらに加え、 自社に物流機能を備えておきたい場合は トラックを保有しますし 市場内での積み荷の移動のために タープという乗り物を使います さらに注目したい投資として M&Aがあります スケールメリットがきく業界なので 後継者のいない同業他社を買収する 動きが加速していく

          野菜仲卸のお金の話4│業種別理解(卸売業)|2024/05/31配信分

          野菜仲卸のお金の話3│業種別理解(卸売業)|2024/05/24配信分

          猿樂です (このnoteについて) 野菜仲卸の資金繰りは、 月末の所要運転資金 (売上債権+棚卸資産−仕入債務) だけでは説明できません 仕入の支払が月単位ではないからです また、仕入価格や売価も変動します 手許に余裕をもった経営が重要です それに加えて、 卸売としての金融機能があります 販売先は、 支払に融通がきく卸売業者と 取引したいと考えるので 手許資金を潤沢に持っていて 長いサイトを提示できることは 競争優位性につながります 1業種15分でわかる『業種別

          野菜仲卸のお金の話3│業種別理解(卸売業)|2024/05/24配信分

          野菜仲卸のお金の話2│業種別理解(卸売業)|2024/05/17配信分

          猿樂です (このnoteについて) 野菜仲卸は 薄利多売な商売です コスト構造としては まず原価率に注目します 卸売業は 「安く買って高く売る」 が基本ですが、 仲卸は、市場内の同業他社と 同じ荷受会社から仕入れています つまり、商品自体では差別化出来ず 原価率が高くなりやすいです 加えて、生鮮食品であるため 不良在庫が発生しやすいです 他方で固定費は一定以上のものがかかります ・ものを運ぶ費用(人件費、運搬車両) ・荷捌きの費用(人件費、荷捌き場家賃) これに

          野菜仲卸のお金の話2│業種別理解(卸売業)|2024/05/17配信分