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「茶畑は見た目が9割?」

コロナの間におもいきりあるがままになっていた茶の木を発掘してきた。収穫用の茶畑だけで手一杯だったしね。

茶畑の見た目はいろいろある。お茶やさん(事業者)で有人・無人の機械で収穫するところは、表面平らで四角いし、機械でも丸く刈るところはかまぼこ型だし、端っこがカマボコみたいに切り落としてなく、新幹線の先端みたいに流線型になっているところもある。園芸バサミできれいにカマボコ型に整えているお家もある。で、見た目で収穫の方法がわかる。

ウチの畑はどうかというと、最初カマボコ型になっていたのを、最近すこしずつ上を平らにしてみている。茶刈りバサミで刈るときに多少便利なように。
茶刈りバサミは袋のついたお茶刈り専用のハサミで、刈っているうちに茶葉が袋にたまってくるからだんだん重くなる。なので、茶畑の平らな部分に袋をのせて、ずるずるひっぱるようにするとラクなんである。上の部分は茶刈りバサミ、周辺の丸くなっているところは手摘み、といいたいところだけど、やっぱ、どうしても、手が届きやすいところを手摘みしちゃいがちなので、あとで、収量がまだたりやーん、みたいになるよねー。

今日の作業は、茶畑じゃなく、独立した2畝の茶の木たちが、ブッシュ状態になっていたところに出向いて、稲刈り鎌で、でっかくなった笹とか、かぶせ茶のカバーぐらいびっちり茶の木の上を被っているツル性の植物さんたちをはがしてきた。
見た目はこりゃーたいへんだ、という感じだけど、ツルはずるずるとひっぱれば芋づる式に(そりゃツルだから)取れてくるので、あんがいはかどる。
笹は、撤去しよう、みたいな気持ちでやらず、支柱かなにかに使う用の笹の太めの軸を収穫するような気持ちでやってみた。撤去するとかやっつけるとかそういう気持ちでやると、ケガをしたり、あせったりするし、気分がよくないよ。バトルモードで交感神経が緊張して疲れるし、ノルマがある仕事をするみたいでたのしくない。
なので、収穫するよーとか、いままで霜や低温から守ってくれていたんだねー、ありがとうねー、お役目ごくろうさまでした、みたいな感じでいくと、疲れない。
植物は、人間が「雑草」とか呼んで、ちょっとやだな、という気持ちを持つほど、悪意なんかなく、敷地内全体を見回しと気象状況を察知して、うまあく調整してくれているように思う。
ツルをはがしてみると、その下の茶の木の間には、菊やアップルミントが、あら、急に日が当たってきたわねえ、こんにちわ、と、平然と生きているし、2023年の、春が早めからのー、低温の時期ありましてー、この先ちょっと雨模様、というスタイルに合わせてくれているだけなんだと思う。とてもかなわないよ、そのあたりのダンドリ。

耕作放棄の茶畑を、初めてみると、わーこりゃたいへんだーみたいに思うかもしれないけど、いわゆる人間が勝手に持っている茶畑のイメージに合っていないだけ。自然樹形じゃなくて、人の持つ茶畑のイメージに沿うように、飛び出した太い枝を切ってあれこれ調整しても、寛容力を持って付き合ってくれるからだいじょうぶ。
ざっくりだけど、発掘してきた部分は、葉緑素ちょっとたりない系の黄緑色の葉っぱがたくさんあるから、この先一週間ぐらい経ったら、緑色になるだろうな。雨が続くけどどうかしら。その辺は茶の木におまかせしておこう。
たぶん、夏までに、葉っぱの大きさや延びる方向を自動的に調整しちゃうだろう、オートマチックなのだ。そのできばえがたのしみ。
そもそも、人間だって、見た目が9割ってことはないとおもうな。もしそれがほんとうなら残りの1割のところに大事なものがあるんだろう。

ビフォー。アフターと比較してもあんまかわんない?




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