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私をかたち創った旅~人生を変えたセブ島でのターニングポイント~

突然ですが、皆さんには「この旅が私の価値観を形成した」「この旅がきっかけで自分が創られた」と思うような”原体験”の旅はあるでしょうか。

こう問われたとき、私は正直「そんな大層な経験をしていないよ」
と思いました。

なかなか筆が進まず、ふと今回の課題である「原体験」というキーワードについて調べてみました。
そこには「人の生き方や考え方に大きな影響を与える幼少期の体験」
とありました。

そこで私は価値観が形成された経験、自分が形作られた経験と難しく考えすぎていたのかもしれないと思い、それと同時にある旅が脳裏によぎりました。

今回はそんな、私の原体験の旅について書きたいと思います。

時をさかのぼること数年、私はバイト先の友達と海外旅行の計画を立てていました。行き先はフィリピン•セブ島。
2人とも海が好きなので海が綺麗なところ、まだ海外に行った経験はそこまでなかったので近場で。
そんな理由で選んだこの旅が、のちの自分の人生に大きく影響するとは
この時の自分は思ってもいませんでした。


セブ島付近の海。透明度が段違いですね。

セブ島といえば海風に揺れるヤシの木に、青い海とカラフルな魚、まさにリゾート地をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
私もそんな土地であることをイメージし、セブ国際空港に降り立ちました。

確か時間はお昼ごろ、空港からホテルへ向かうためセブ島中心地へ向かうタクシーに乗っていました。
綺麗に整備された幹線道路や近代的なビルが並ぶ街並み。「フィリピンって意外と都市化が進んでいるんだな」なんて思いながら窓の外を見ていた時、衝撃的なものが目に飛び込んできました。

綺麗なビルとビルの建物の間に山のように積まれたゴミ。さらにその上に掘っ立て小屋のようなものが立ち並び、干されている洗濯物が見えます。
それは人がその場所で生活していることを意味します。
近くで見たわけではないですが、とても人が住む環境には見えませんでした。


まさにこの写真のようなゴミの山の上で人々は生活していました。

時間にしてほんの数分だったとは思いますが、この光景が頭から離れませんでした。「本当にあんなところに人が住んでいるのか?」「こんな観光地に?」頭の中はハテナでいっぱいでした。

もう1つセブ滞在中に印象的なエピソードがあります。セブの街中を歩いていると横断歩道の向こう側に可愛い雑貨屋さんを見つけたので、入ろうと思い警備員に「Hi!」と声をかけ、店の入り口のドアを開けようとした時でした。

どこからともなく数人の子供が現れ、口々に「money,money」と手を差し出して訴えるのです。何が起きているかもわからないうちに私たちは入り口の警備員に店内に押し込まれ、群がっていた子供たちは追い払われていました。


まだ小学生にも満たないであろう小さな子供もいました。

この2つの経験は帰国してからも私の頭の中に強く、印象に残り続けました。
のちに調べて分かったことですが、あのゴミ山はスラムと呼ばれる低所得者が多く集まる過密居住地域であったこと、店の前に群がっていた子供たちは(おそらくスラムに住んでいる)観光客目当てに店の近くで待機して、物乞いを行うケースがあるとのこと。

私はこの旅で「自分にとっての当たり前は、ほかの誰かの当たり前でないこと」「seeing is believing」(百聞は意見に如かず)を痛いほど感じました。

当たり前のように学校に通わせてもらい、毎日暖かいベッドで安心して眠れ、美味しいご飯が食べることができる。そんな何一つ不自由がない生活は当たり前でないこと。また、世界にはお金を稼ぐために学校にいけない子供たちがいる、ご飯も食べられないような人がいる、知識としては知っていたけれど実際に目にするのとでは雲泥の差がありました。

セブ島での経験があったから、私は日本という自分にとっての”当たり前”の世界から飛び出して、”当たり前でない”世界をこの目で見てみたいという思いが強くなったのかもしれません。


世界は広い!自分の知らない世界がまだまだあることを感じました。

また、この旅は私に物事を客観的に見る視点も与えてくれました。

今回紹介したセブ島でのスラム、貧困の問題も何が悪い、誰がいけないという問いに答えはないのと同じように、物事は1つの側面で見てはいけない、多面的に見ることで根底が見えてくるのだと気づきを得ました。

現在世界中の注目の的となっているパレスチナとイスラエルの対立問題も一方が悪いような書き方をするメディアもいますが、それぞれの立場から見るとどちらの言い分もわかるような気がします。(武力を行使して主張、訴えを起こすのは断固反対ですが)

実際に貧困や紛争を解決するために私にできることは何もないかもしれません。ただ、この旅で得た経験により視野が広がり、今まで見ていない世界をもっと見てみたい、人生をかけてやりたいこと、目標ができ人生がより豊かになったと感じています。

そして今は自分が広い世界を知るだけでなく、まだ知らない人にも知ってほしいと思い、自分が旅行で得た経験、知見、想いを伝えるトラベルライターを目指し奮闘しています。

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