カラオケ「JOYSOUND」を展開するエクシングを招き、リバースピッチを開催
なぜエクシングがリバースピッチをやるのか
Sixbrainでは大手企業の協業ニーズを発掘できるWebサービスを提供している。しかし、チャレンジはテキストの情報となるため、企業のやりたいこと、担当者の熱量などより本音に近いところ伝えるところに課題があった。そこでsixbrainはカラオケ「JOYSOUND」を展開する株式会社エクシングを招き、リバースピッチを開催した。スタートアップ企業がスポンサー候補となる企業にビジネスアイデアを提案する一般的なピッチと異なり、リバースピッチでは協業の質を高めるため、スポンサー側が課題をプレゼンしソリューション提案を募る。家庭用カラオケとシニア向け事業を強化するには、スタートアップならではのユニークな視点が不可欠というエクシングの考えを踏まえ、実現に至った。
「コロナ禍」で新たな進化を迫られるカラオケ市場
新型コロナウイルスの感染拡大によって、全国のカラオケ店舗で休業や時短営業を余儀なくされるなど、カラオケ業界は前代未聞の苦境に立たされた。制限が解除された現在は、客足も戻り始め、市場回復に向けた明るい兆しも見え始めているが、不安定な市場環境は今後も続くとみられるだけに、コロナ禍に顕在化した新たな事業ニーズをいかに拡大できるかが課題となる。なかでも、有力な事業の一つとされるのがコロナ禍での需要拡大が顕著だった家庭用カラオケだ。家庭用ゲーム機をはじめ、さまざまなプラットフォームに向けたサービスを展開するエクシングは、家庭用カラオケの市場規模は今後も順調に拡大すると予測。さらには、ヘルスケア市場という、カラオケの枠を超えた分野へも本格参入するなど、新たな挑戦をし続けている。
音源や歌詞テロップデータを提供し、新サービスを開発
同社ではパソコンとテレビ、スマートスピーカー、家庭用ゲーム機を通じてモバイル/ホーム・エンタテインメント事業を展開。また、時間や場所にとらわれず自分のスマートフォンで、お店でお馴染みの本格的なカラオケ採点が楽しめる「分析採点JOYSOUND」などのアプリも提供している。
事業の推進に当たってはスタートアップをはじめとした外部企業と連携する。具体的にはカラオケ音源や歌詞テロップデータ、背景映像や、カラオケ機能をアプリに搭載できるソフトウエアの開発キットを提供。提供先がプレイヤーを開発するという形で新サービスにつなげていく。
音の問題をはじめ、周囲への十分な配慮が不可欠
ただ、自宅でのカラオケには周囲への十分な配慮が欠かせない。不動産会社のAlba Link(アルバリンク)がアパート・マンションに住む500人を対象にした調査によると、8割近くが「騒音に悩んだ経験がある」と回答。「声がうるさい」や「大音量の音楽」「楽器の音」がトラブル要因の上位を占めているからだ。2020年に緊急事態宣言が発令された時、歌声が外部に漏れるのを抑え自分の耳に届く仕組みのカラオケグッズが大ヒットしたが、こうした防音対策を組み込むことも、モバイル/ホーム・エンタテインメント事業を推進するに当たっての課題となる。
介護施設向けサービスは約1,000種類のコンテンツで構成
シニア事業の強化は、超高齢化社会の進展を見据えたもの。高齢化率(65歳以上の人口比率)は28%を超え、今後40%に向けて上昇すると予測されており、シニア向けサービスの需要はさらに拡大するとみられるからだ。
エクシングでは現在、タブレットをプラットフォームとする音楽療養コンテンツ「健康王国DX」を、介護施設に提供している。歌に合わせて体操をすることで健康増進に貢献したり、昔の映像を流すことで認知症予防につなげるプログラムなど、観る・癒す、遊ぶ、歌うという4つの領域で約1,000種類のコンテンツを用意している。
高齢者向け事業は課金制度の在り方などが課題
現在はシニア事業の顧客は大半が介護施設をはじめとした事業者だが、今後のターゲットとするのが、60~70代前半を中心とした一般消費者。新型コロナウイルスの感染拡大によって外出機会が減少し、健康の回復と社会機会の創出が喫緊の課題となっているためだ。このためスーパーやホームセンター、ドラッグストアなど高齢者が集う場所との連携も進めていく。ただ、高齢者個人を対象にしたBtoC事業を推進するに当たっては、いくつかの課題がある。スマートフォンは十分に活用されていないのに加え、キャッシュレスの利用率が低く、月額課金を嫌う傾向が強いからだ。
このためスマホだけではなく、テレビやマイク型デバイスを活用した有効なツールの開発や、サブスクであっても抵抗感なく集金できる仕組みづくりを、スタートアップとの協業で目指していく。
カラオケは日本が起源で、世界的な娯楽となった。コロナ禍を契機に顕在化したニーズを捉えた新サービスを海外でも普及させるためにも、スタートアップ企業が果たす役割は大きい。
本セミナーで発表されたsixbrainに登録されているチャレンジは以下より確認できます。「興味あり」を示すと大手企業からオファーが送られるかもしれません。
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