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第70回:「喜び」は環境作り

今回は、「喜び」は環境作りということを書いていきます。

人は、どんなときでも自分の「喜び」に向かって生きているものであり、何をするにもゴールは「喜び」になっているといいでしょう。

なぜかというと、人が苦労して何かをするのも、最終的には「喜び」があるからであり、「喜び」を得ることができないならば、進んで苦労をすることがないからです。

とはいえ、私たちが生きる目的が「喜び」であるならば、あえて苦労をしなくても「喜び」を得られるような環境を作って行けば、楽しみながら「喜び」というゴールにたどり着けるようになるのではないかと思います。

そこで、今回は環境の大切さやよい環境作りをつくるためのポイントについて書いていきます。

よい環境がよい森をつくる

動物がたくさん集まる森は、環境のよい場所にあります。

森にとってよい環境とは、たくさんの陽射しが当たり、水が豊富にあり、よい土のある場所であり、こういった環境の場所に苗を植えることができると、木は何もしなくてもスクスクと成長していいけるようになります。

木の目的は、自分を成長させることだけでなく、自分の分身を作って増やし繁栄していくことであり、それが木にとっての「喜び」といっていいかもしれません。

そこで木が自身の分身を増やすために、鳥や動物の力を借りるという手段を取ります。木は枝に赤い実を実らせ、その実を鳥や動物に食べて貰って、固い種(たね)を別な場所に運んで貰うことで、森を作り範囲を広げていきます。

また、鳥や動物も赤い実がたくさんある場所にいた方が、餌を探しやすいし、いつでも餌を得ることができるため、自分の種(しゅ)を苦労することなく増やしていくことができるようになっていきます。

鳥や動物も自分の種を増やすことが「喜び」であるため、よい森にいることが種の繫栄に欠かせないといっていいでしょう。こういったことから、豊かな森が生まれると、そこにたくさんの鳥や動物が集まって、森自体が一つの生命圏として繁栄していくようになります。

日本語には「弥栄」という言葉がありますが、「弥栄」とはこういった相乗効果で繁栄していくことだといっていいでしょう。

この「弥栄」の状態を作るには、互いが互いを助け合いながら、「喜び」を分け合ってともに繁栄していけるような環境を作っていくことが大切だったりします。

こういった「弥栄」の原理は、当然、私たちにも当てはまることであり、私たち一人ひとりが得た「喜び」を木の実にして分け合えば、そこに人や物が集まるようになって、互いに成長できるような「場」を作ることができるよういなっていくことでしょう。

私たちは、人という「種」を残すことが生命としての「喜び」です。だからこそ、その「喜び」に反して「種」を減らすような行為を目にすると、「苦しみ」を感じるものなのです。

私たちの「喜び」の原型は「ともに栄えること」にあり、この「ともに栄える」ということができるようになると、私たちは「平和」を感じられるようになるものなのです。

環境作りは自分の特徴を知ることから

瘦せた土地ではよい木が育たないように、私たちもよくない環境にいると、のびのびと生きていくことができません。そういった意味でも、今いる自分の環境をよくしていくことは大事なことです。

では、よい環境とは何かというと、ストレスのない環境というこができるでしょう。

木や森にとっては陽射しと水と土壌がよい環境の条件ですが、人間にとっての環境は衣食住といってもいいかもしれません。また精神面でいうなら、よい職場やよい家族といった人間関係の場もよい環境作りには欠かせない要素といえるでしょう。

いずれにせよ、自分にとってよいと感じられるような環境作りは、どこから始めてもよく、まずは自分がストレスを大きく感じていることから改善していくことが先決です。

人はストレスと感じることを軽減しただけでも「喜び」を得られるようになるため、そういった意味でも、ストレスと感じることを回避できるようになると、心を穏やかにできるようになるものです。

そういった意味でも、自分にとってよい環境を作るためには、まず自分を知る必要があり、自分が今、何にストレスを感じているかを的確に見つけていく必要があったりします。

私は、以前、観葉植物を扱う仕事をしていたことがあります。

観葉植物は、日本の環境とは異なる南の国からやってきた植物であるため繊細で、枯らさないように管理するには植物の種ごとの特徴を知って、ストレスを与えないようにする必要がありました。また南国の植物といっても、その原産地の環境は様々で種類によって特性が異なるため、水を与える量も、木の種類によっては異なったりします。

たとえば、熱帯雨林が原産のような植物には、たくさんの水を与えなければならないし、サボテンのような乾燥した土地で生まれた木は、たくさんの水を与えてしまうと逆に体調を崩してしまうので、水は出来る限り少なくした方がよかったりします。

こういったことから、たくさんの種類の観葉植物を育てるためには、その木、一本一本の特性や特徴を知る必要があり、その木に適した環境作りをしなければならなかったりします。

こういったことと同じで、人もそれぞれ特徴が異なるため、自分にあった環境を作るには、まずは自分の特徴を知る必要があり、自分の特徴に応じた環境作りをする必要があるといっていいでしょう。

環境作りは丁寧に

よい環境を作るためには、まず、今、自分が何にストレスを感じているかを知ることが大切です。

観葉植物は、寒さや陽射しの少なさ、水の量の加減と土壌の善し悪しがストレスの原因になるため、寒さの感じない場所に置き、日当たりのよい環境を作り、植物にあった土壌を作って、その植物に応じた水の量を与える必要があります。

こういった感じで、自分は何にストレスを感じているかを詳しく知ることができると、そこを基準にどう対処していけばいいかという改善点が見えてくるようになります。

また、こういったストレスを取り除いていく作業には丁寧さが必要であり、ちょっとしたことに手を抜いてしまうと、今度はその手を抜いた部分にストレスを感じてしまったりするものです。

観葉植物のような、原産が日本ではない植物は、ちょっとしたことでも体調を崩してしまうことがあります。なぜかというと、寒さに耐性がないからであり、ちょっとした温度管理を誤ると、一気に元気がなくなってしまったりします。とはいえ、よい環境を与えて丁寧に管理してあげると、それだけでスクスクと成長していくものであり、コツさえつかんでしまえば難しいことを考えなくてもよかったりします。

こういったことと同様に、私たちも自分のために丁寧な環境を作りをすることができると、その場にいるだけで元気になっていくものであり、一度、よい環境を作ってしまえば、あとは悠々とリラックスして過ごしていけるようになるものです。

よい環境の中にいれば自然と上手くいく

人は、よい環境に身を置くことができるようになると、自然になんでも上手くいってしまうものです。なぜかというと、木がよい環境でスクスクと育つように、私たちもよい環境の中にいるだけで、のびのびと成長することができるからです。

昨年のサッカーのワールドカップの日本代表には川崎フロンターレの選手や川崎フロンターレ出身の選手がたくさんいました。またGKの権田選手は川崎フロンターレとは関係のない選手でしたが、彼の出身は川崎市になります。

では、なぜ川崎フロンターレや川崎市出身の選手が日本代表にたくさんいたかというと、川崎という場所のサッカー環境が整っていたからだと思います。こういったことは、環境が人を育てるということを表しているといってよく、よい環境が人を育てるものであり、よい環境に身を置くだけでも、人は成長していけるといってもいいかもしれません。

いい環境にいる効果は、そこにいるだけで「喜び」を感じられることです。

人は「喜び」の感情を持てるようになると、前向きな気持ちになることができ、更なる「喜び」を持てるようになっていくものです。こういった「喜び」の感情がもたらす「喜び」の連鎖は、まさに「弥栄」の状態を創り出すもとになるといっていいでしょう。

「喜び」の感情には、自分を肯定させる力があり、それがやがて自分に対する自信へと繋がっていきます。また「喜び」の感情は、気持ちを前向きにさせるため、新しいことにも積極的にチャレンジできるようになっていきます。そして「喜び」によって得られた成果を、他者と共有できるようにしていくと、それが「弥栄」に繋がっていくものです。

ある一人の人が「喜び」を感じられる環境を作って、その「喜び」から得られた成果を周りの人と共有し栄えていくという姿は、まさに木が森になり他の動物と一緒に成長していく姿と似ています。

そういった意味でも、私たち一人ひとりが、今いる自分の環境を丁寧によくしていき、日々「喜び」を感じ、その「喜び」の気持ちを分け合っていけるようになると、この世界のあり方が変わっていくことでしょう。

私たちの究極の「喜び」はともに繁栄していくことです。そして「喜び」を感じて生きていく人が増えていけばいくほど、人間という「種」の「喜び」が大きくなっていくことでしょう。

そして、いずれは人だけでなく人も自然も一体となって「喜び」を感じられるようになっていくと、この地球という生命圏そのものが「喜び」へと変わっていくと思います。

そういった意味でも、まずは一人ひとりが今あるストレスを手放していくことが大切なのだと思います。

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