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小脳障害(小脳形成不全)の猫 -ハル- 02-翌日の朝

プロローグ ー出会い02ー 翌日の朝

翌日。2015年5月2日。
毎年恒例にしている、「ハンドメイドの何か」を1品付けた母の日プレゼントを用意するために自宅を出る。

と、聞き覚えのある甲高い鳴き声が聞こえてくる。
まさかと思い、昨日の場所を覗くと居た。
そこには他の兄弟の姿もなく、母猫の姿もない。
やはり独りだった。

姿はいわゆる「ヨコミミ様」。
つまり乳飲み児であり、数時間おきにお乳を飲むような年頃。
昨日の夕方から12時間以上放置されている、と仮定したら相当衰弱しているはず。
この元気さは「長時間放置されていた」とはちょっと考えにくい。
そのうち親が戻ってくるだろう。


「もし買い物から戻ってきてもまだここで鳴いているようなら、考えよう」


当時、既に10歳になろうとしている先住猫(ユウナ)が居たため、即時保護を躊躇したと言うのが本音。
「きっと大丈夫。親猫が来る」
そう言い聞かせて買い出しへ向かった。


ーもし無駄になるならそれで良いー

買い出しに向かった先は東急ハンズ。
プレゼントになるような品もあるし、ハンドメイドの資材もある。

そして、ペット用品もある。

各階を見てプレゼント用品を一式揃え、ペット用品の階へ向かう。
先住猫のおやつを手に取り、「一応」子猫用の品を見る。
哺乳瓶と粉ミルク。
両方買ったとしても3千円でお釣りがくる。
ちなみに粉ミルクは大人猫の栄養補助食品としてふりかけても良い、と商品の裏に書いてあった。

もしもあの子が親に連れられて行ったのなら、粉ミルクはユウナのご飯にかけよう。
もしもあの子がまだあの場所にいて、慌てるよりは全然良い。

そう決めたら急がねばならない。
掛かりつけの動物病院の午前診療時間の終わり間際。
買い出しに出てから約2時間。
予定外の子猫用品を抱えて帰宅。


ー葛藤ー

自宅に着くと、案の定というか予想通りというか、甲高い鳴き声が聞こえてくる。
やはりあの場所に独り。

「保護しよう」と心に決めたものの、やはり悩む。
先住猫(ユウナ)との相性とか。
面倒を見られるのかどうかとか。
隔離スペースをどこに取るのかとか。

そう悩んでるうちにも時間は過ぎる。
掛かりつけの診療時間終了まで後30分を切るかどうかのタイミング。
最後に自分の背中を押した、自分の声。


「GW終わるまで後1週間もあるじゃん。なんとかなるんじゃね?」


「その考えは大甘だった」事に気付いたのはその後のお話。w

家から新しいタオルをひっ掴み、ちびっこを寝床から引っ張り出して掛かりつけの動物病院へ向かった、午前11時半ごろの出来事。

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ー続ー

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