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日々雑感

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#時間

時間・自由・芸術

時間・自由・芸術

丸谷才一の『たった一人の反乱』(1972)を読んだ。

それなりに面白く読んだが、正直言って、この小説にはさほど強い感銘を受けなかった。
なによりも主人公である「ぼく」にほとんど共感することができなかった。
それはそうだ。
主人公の馬淵英介は、通産省のエリート官僚出身で、民間の電機会社の重役に天下りし、妻の病死後一年も経たずに若い美人モデルと再婚する人物である。
やっかみ半分と言われればそのとおり

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死ぬとは、即ち生きること

死ぬとは、即ち生きること

人間自身は決して時間を止めることができない。
だからこそ、時間を止めるものであり、時間を超えて生き続けるものでもある彫刻・絵画などの芸術作品に、人間は強く惹きつけられるのではないか。

そんな趣旨のことを前回の投稿で書いた。

それ以来、「時間」というものについて考えをめぐらしている。
人間にとって「時間」とは何だろう?



『日本経済新聞』朝刊の最終面に月替わりで毎日連載される「私の履歴書」

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