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”DX”が一般的になる前からファッション企業のDXに向き合い続けた結果、見えてきた自分が果たす役割

シタテルの多様なメンバーのインタビューを通して、カルチャーや特徴などを探る「sitateru voice」。今回は、創業初期からシタテルにジョインし、シタテルのあらゆるフェーズを経験している冨山にインタビューを行いました。業界のDXを進め、ファッションの魅力を高めたいという想いからシタテルへ入社。IT未経験からsitateru CLOUDを立ち上げた経験をもつ冨山を深掘りすることで、シタテルの特徴が見えてくるかもしれません。

冨山 雄輔
クラウドソリューション室 室長

テキスタイルメーカーの製品部署にて、国内外の生産オペレーションに従事。2008年に繊維商社に入社し、素材の知識を活かしたOEMセールスとして多様なブランドへ商品を提供。自社ライフスタイルブランドの企画・運営を経て、2017年8月にシタテルに入社。生産インフラの整備、ブランド向けセールスの設計・マネジメント、「sitateru CLOUD」の推進責任者の後、クラウドソリューション室の室長を務める。


洋服という「もの」を大切にするファッション業界ゆえの課題


ーーこれまでの経歴を教えてください

シタテルに入社する前は、繊維商社に勤務していました。担当はおもにOEMビジネスで、国内外の生産経験を積むことができました。OEM以外にも自社のライフスタイルブランドを展開していたので、商品企画やMD、卸営業などブランド運営全般も経験しました。

取り扱ってきた商品は、レディース、メンズ、ベビー、雑貨、インテリアと多岐にわたり、テキスタイルに強い会社だったので、生地や素材の知識も身につけることができました。この土台がシタテルでの仕事に活きていると実感しています。

ーーシタテルへの入社理由を教えてください。

前職で働いているときに感じた課題がきっかけです。
一緒に仕事をしてきた取引先や工場の人たちは、洋服づくりに誇りを持っていて、情熱も持っています。しかし一方で、職人や技術者の方が受け継いできた古いやり方が残っていて、複雑な仕組みや非効率なやり方が習慣化していました。

デジタルツールは随所で使われていますが、一度紙ベースで出力されてしまうと、その後ずっと紙の管理が続く傾向があります。現場は忙しいので、やり方を見直すこと自体が難しいのだと思います。

私のように一個人が「もっと効率化したい」と、もどかしく思っていても、アナログな習慣が根付いていると、一人の力で現場から経営層までの意識を変えることは難しいと感じていました。

一生懸命にものづくりをしている業界の人たちと関わるなかで「ファッション業界をより良くしていきたい」「ファッションの魅力をより多くの人に届けていきたい」と思う一方で、会社に所属している一個人ができることの限界を感じていました。業界全体を変えるには広い視野を持ってファッション業界に関わる必要があり、新たなサービスを作り出して変えていくしかない、と考えるなかでシタテルに出会いました。

おこがましいですが、シタテルで業界が抱える社会課題の変革にチャレンジしているので、今までお世話になった人たちへの恩返しができるのではないかと思いました。

sitateru CLOUDを立ち上げて、自身が感じてきた業界の課題解決に挑戦

ーー入社後、どのような業務をしていましたか?

シタテルに入社した当初は、前職の経験を活かして海外生産のインフラを整備しました。具体的には、中国やベトナムに出張して海外工場を開拓するのと同時に、貿易部門を立ち上げて輸出入の体制を構築していました。当時はOEM事業の規模もまだ小さく、これから事業を拡大して海外生産に乗り出そうという時期でした。

その後セールスのマネージャーとして部門の立ち上げと企画、マネジメントを行った後、sitateru CLOUDのサービス立ち上げに携わり、現在は事業推進の責任者を務めています。

初めてsitateru CLOUDの構想を聞いた時は、いよいよテクノロジーの力で業界を変えていくんだという気持ちで、期待に胸が高鳴りました。

新しいビジネスモデルの立ち上げに参画し、これまでと同じ業界にいながらも全く違った経験をすることができるので、自分のキャリアにとって大きな挑戦になりました。

ーーsitateru CLOUDに携わる中で大変だったことはなんですか?

ITやシステム開発に関する知識をキャッチアップすることに苦労しました。
それまではファッション畑で仕事をしてきたので、ITに関する知識はほとんどなく、開発メンバーと会話する際に、最初はわからない言葉ばかり飛び交っていて戸惑うことが多かったです。

そのため、とにかくインプットを増やして知識を身につける必要があると思い、もともと繊維製品品質管理士(TES)という洋服の資格は持っていたのですが、システム導入の業務がメインになったので、基本情報技術者(FE)という資格を取得しました。

ローンチ後のお客様の反応で、sitateru CLOUDの提供価値を実感

ーー立ち上げ後はどのような状況だったのでしょうか?

2020年にローンチして、当時はまだ「DX」という言葉が今ほど一般的ではなかったのですが、サービスのコンセプトに共感してくれるお客様を探しました。最初に提案したお客様はみなさん導入を決めてくださったので、sitateru CLOUDの「提供価値」と「現場の課題」に相違はないと確信し、自信を持つことができました。

一方で、営業を進めていると提案を受け入れてもらえないお客様もいらっしゃいました。昔ながらのやり方や伝統を大切にするファッション業界で、新しい手法を受け入れてもらうのは簡単なことではないと感じました。

さらに当初はセールス活動を2名で行っていて、人手が足りていませんでした。
sitateru CLOUDのサービス自体も発展途上だったので、導入したお客様の期待値を超えることができないこともあり、アフターフォローは必須でした。当時はカスタマーサクセス(以下、CS)の部署もまだ無かったので、限られたリソースの中で、新規のお客様を開拓しながら、既存のユーザーにも満足いただけるようなフォローを工夫して行っていました。

CSも体制を確立しないと十分なフォローが出来なくなってきたため、CS部門の立ち上げも行いました。その後もありがたいことに、サービスが評価されて導入企業が急速に増えてきたので、それぞれの部門長と一緒に体制やオペレーションの仕組み化を進めました。

そして現在に至るまで、私は事業開発という立場で、セールス・CS・プロダクト開発など、sitateru CLOUDに関することを横断的にみています。

業界をとりまく風向きに、変化の兆し

sitateru CLOUDをローンチして3年が経ち、最近は風向きが大きく変わってきたのを感じています。シタテルの認知度も高まり、期待する声をいただくことも多いです。
導入したお客さま経由で、新しいお客さまとの出会いが生まれることも増えていて、サービスとして確かな実力がついてきていることを実感しています。規模の大きな企業様との取引も増加していて、sitateru CLOUD成長の後押しになっています。

最近、企業にはDXを進めるうえで大きく2つのパターンがあることがわかってきました。

1つめは経営層がDXを推進したいケース。前提としてどの企業でもデジタル化を進めたいという気持ちはありますが、規模の大きな企業ほど株主からの期待もあり、DXに対する経営陣の意向はより一層強いように感じます。一方で、現場の社員からすると業務を効率化しても給与がアップする訳でもなく、今までのやり方を変えることに対する抵抗もあり、経営層とのギャップが発生します。

2つめのパターンは、現場がDXを進めたいケース。残業やトラブルが発生している非効率な業務を、現場主導で効率化しようと考えていても、マンパワーで現状業務が回っているのであれば、経営層がデジタルへの投資に必要性を感じられず、ギャップが生まれる場合です。

このような現場と経営層のギャップをいかに埋めるのか。表面化していなくても、どのような課題が潜んでいて、なぜ問題なのか、どういった解決方法があるのか、といったことを丁寧に伝えることが私の役割だと思っています。

これまで受け継がれてきた各社のやり方を変えることは簡単ではなく、変化に抵抗を感じる気持ちも理解できます。しかし、私自身が業界の課題を実感し、sitateru CLOUDの価値を信じているからこそ、先陣を切って業界を変えていく必要があると思っています。

ファッションの魅力を最大化するため業界のDXに挑む

ーー冨山さんの今後の目標を教えてください

冒頭でもお話ししたように、「もっとファッション業界をより良くしていきたい」「もっとファッションの魅力を高め、多くの人に届けたい」と思っています。

ファッションの魅力を最大限高めるためには、業務を効率化し、デザインや企画などクリエイティブなことにリソースを割くべきです。その上で、アイテムを企画する人と工場などの作り手が自由にコラボレーションをすることで、さらにファッションの魅力が向上すると思っています。

sitateru CLOUDは業務の効率化というPLMの側面と、コラボレーションを生み出すというプラットフォームとしての側面を持ち合わせています。もっと多くのお客さまに導入してもらい、生産管理の業務を効率化することで、デザインや商品企画などのクリエイティブな側面に多くのリソースを費やせるような環境をつくりたいと思っています。そのためにも、直近の目標はsitateru CLOUDをより多くのお客さまに導入してもらい、満足して利用していただくことです。

個人的には、先が見えない状態において道を切り開いて見通しを立てる、という仕事は性に合っているので、これからもシタテルで経験するであろう様々な局面を楽しんでいきたいと思います。

ーー冨山さん、ありがとうございました!

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