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【代表インタビュー】世界一周から起業へ!起業しようと思ったきっかけ

こんにちは!
広報の岸名です。
今回は、シルタス代表の小原さんになぜ起業しようと思ったのか、インタビューしました。

「起業しようと思ったきっかけは何ですか?」

昔から起業したいという思いがあって、大学生くらいから意識するようになりました。
そもそも、日本で生まれたからという理由でエスカレーター式に日本で働く、という選択肢が自分の中にはなかったんです。どの国で働くのか、どのエリアで働くのか、何をするのかを自分でちゃんと決めたい!という思いがありました。

でも、どこで働きたいかなんて、大学に通っているだけじゃ分からないじゃないですか。だから、まず世界が見たくて、大学3年生のときに世界一周に行ったんです。
気に入った国が見つかったら、そこに住んで仕事を見つければいいや、みたいな気持ちで日本を旅立ったのですが、世界一周中、同じようにバックパッカーをしている日本人の方にたくさん出会って、「起業したい」という思いを強くしまた。

世界一周中の写真 @マチュピチュ(ペルー)


世界一周をしているほとんどの日本人が、会社を辞めて旅をされている方で、日本の会社で働くのって本当に大変だと思いました。
何が大変かって、日本はいったん会社を辞めたら、ものすごいディスアドバンテージになってしまう。だから、会社を辞めて旅に出るという選択肢は、キャリアとかステータスとか、いろいろなものを捨てないといけないんですよね。

僕は旅が好きだから、絶対にまた世界一周に行きたい。だからといって、リスクは取りたくないという気持ちもすごくあって。その両方を満たすためには、会社に依存してはいけないと思いました。いつでもどこでも働けるスキルを身につけたくて、起業したいという思いが強くなりました。


僕の本質は学生の時から全然変わっていなくて、“自由になりたい”なんですよ。自由になるために、何が必要で、どうなればいいのか、ということばかり考えていました。
とても現実的な話になりますが、社会的な自由を手に入れるためには、経済面での縛りをクリアにしないといけない。そういった意味でも起業したいと思っていました。


「いつ起業したのですか?」

大学を卒業してから業務用の特殊冷凍機を開発している企業に入社して、数年してから起業しました。学生から、もしくは卒業後にいきなり起業するよりも、スキルを高めたり、人脈を作ったり、お金を貯めたり、社会人をやりながら起業の準備をしたほうが成功しやすいと思ったんです。


「なぜ特殊冷凍機を開発している企業を選んだのですか?」

世界一周中に、必要な食料が必要な場所に行き渡っていないということに課題感を持つようになったのが、きっかけです。ある地域には食料が豊富にあるけれど、ある地域では不足していたり、ある特定のエリアでしか流通されていない食品があったり、もっと食品が適材適所にある状態にならないかと思ったんです。

ちょうど帰国後に、某経済系テレビ番組に特殊冷凍技術を持つ会社が取り上げられているのを見て、感銘を受けました。細胞を破壊せずに冷凍保存ができる技術なのですが、この技術であれば、品質を落とさずに長期保存が可能になります。食品流通に抜本的な変革を起こせるという期待を抱き、この会社で働いてみたい!と思いました。

ちなみに、その会社は当時、新卒採用をしていなくて、会社の問い合わせ窓口に連絡して、「面接だけでもいいので受けさせてください!」と頼み込んで入社した、という経緯があります。


「なぜシルタスという会社を作ったのですか?」

前職で食に携わる中で、食品を定量的に評価する基準がないことに疑問を持つようになったんです。多くの人がなんとなく美味しいという基準で食品を選んでいることに課題を感じるようになり、その先にある「栄養」にも興味を持つようになりました。

何となく健康そう、体に良さそうといった理由で、きちんとした価値判断がないまま食べる物が選ばれていることが、もったいないと感じるようになったんです。

健康に気を使っている人はけっこう多いけれど、きちんとしたエビデンスがないまま行動していることが多いと感じます。本当に自分にとって良いのかどうかが分からないまま、なんとなく健康に良さそうな行動をしている。例えば、テレビで健康に良いといわれている食品やスーパーフードばかりが注目されている、みたいなことが残念だし不健全に見えました。

ずっと体に良いと思って食べていた食品が本当に自分にとって必要なのか判断できないし、健康のためにどれだけ我慢できるのか人それぞれだし、もっと自分にとって最適な食の選択ができるようになればいいと思ったんです。

とはいえ、もともと健康は、そんなに興味がある領域ではなくて…。

僕、もともと食べること、飲むことがメチャクチャ好きなんです。なので、健康的な食生活じゃないという自覚がありました。既存の食事管理アプリを色々と利用してみたのですが、毎日食事の内容を登録する必要があるし、毎日「ビール飲み過ぎです」と怒られたり(笑)

僕のように、美味しいものを食べたいだけ食べていても、最低限の健康が担保される世界を作りたいと思いました。

あと、食に関わる健康はけっこう矛盾が大きくて、その矛盾を解消したかったという気持ちが大きいです。いろいろな起業家の人たちと話す機会が多いですが、何かしらの「矛盾を解消したい」という想いから起業する方が多いように思います。


「実際、どんな風に起業に至ったんですか?」

「SIRU+」のアイディアをいろいろな人に話したとき、「すごい良いじゃん!」「そのサービス使いたい!」という声は聞いていたので、ニーズがあることは確信していました。ただ、ビズネスとしてお金を儲けないといけないので、そこが当初は不安でした。

あるとき思い切って、知り合いの人に紹介してもらい、某流通企業にアイディアを持っていったんです。そうしたら、その企業が抱えている課題と「SIRU+」で解決できる課題が同じだったんです。

そこからは、トントン拍子で話が進んでいきました。
最初、自分1人と取引先企業の担当者2人だった打ち合わせが10人になり、役員会議になり、スムーズに話が進んでいって、プロジェクトとして動き始め、どんどん大きい話になっていきました。

それで、本格的に会社としてやろうと思い、2016年11月に会社を設立しました。

もともと「アドウェル」という社名でした。サービス名に合わせて「シルタス」に社名変更。

しかし、某流通企業と一緒にやっていたプロジェクトは残念ながら、半年で終わってしまいました。理由としては、コンセプトはいいけど、いろいろと技術的な問題が発生してしまい、それを解決できるすべがなかなか見つからなかったんです。で、そのプロジェクト自体は終了、プロジェクトチームも解散になってしまいました。


「その後、どうしたのですか?」

会社も設立してしまったので、1人でも頑張ろう!と、技術的な問題を解決するために、動き出しました。
1年半くらいかけて、購買データを栄養素に変換するためのシステム整備を1人で行なっていました。
SIRU+は、スーパーなどが保有している購買データを栄養素に変換して、買い物の栄養バランスを分析するのですが、これってすごく難しいことなんです!

購買データをざっくりいうと、「いつ、どこで、何を、いくらで買ったか」が分かるデータです。しかし、その商品が何であるか、何gなのかが分からないので、購買データ単体では栄養素に変換ができません。

購買データではグラムが分からない


例えば、「チキチキチキンという商品」を300円で購入した場合、「チキチキチキン=唐揚げ」であること、「300円が何グラムなのか」が判別できないので、栄養素に変換できないんです。
なので、購買データを栄養素に変換するために必要なデータを集めてマスターデータを作り、それをもとに機械学習をかけ、あらゆる食品を栄養変換するシステムを作っています。

1年半かけてシステム側のことがクリアになり、いよいよアプリを開発しようというタイミングで、初めて人を採用しました。
僕はエンジニアでもないし、アプリ開発に携わった経験もなかったので、当時ワイヤーフレームという言葉自体も知らなかったんです。
そんな状態だったのですが、数ヶ月で試作版のアプリができて、1年ほど経った2019年3月にSIRU+をローンチしました。


ローンチした頃のアプリのインターフェース

正直、資金面ではメチャクチャ大変でした。。
サラリーマン時代に貯めた9百万円を資本金として会社を設立したのですが、まったく売り上げもなく、開発費が出ていくだけだったので、大変でした。自分で会社をやってみて、お金の大切が本当の意味で分かった気がします。銀行の口座がどんどん少なくなっていくのを見るのって、眠れないくらいの恐怖ですね(笑)


「会社を設立して7年目になりますが、変わったことはありますか?」

SIRUの開発を始めた頃は、「食の楽しみと健康」の両立を目指して、自分が使いたいサービスを作ろうという気持ちが大きかったのですが、現在は食の健康領域におけるインフラとなるサービスにしていきたいと思うようになりました。

健康って、健康な人にとってはどうしても自分ごと化しづらいですし、不健康になってはじめて健康に向き合う人が多いと思います。

だからこそ、健康にそこまで興味のないうちから、今の食生活の栄養バランスがざっくりと分かって、赤信号になる前にアラートを出してくれるサービスが必要だと思うんです。SIRU+はその役割を担えるサービスなので、より多くの人に使ってもらえるよう、事業を拡大していきたいです。


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