見出し画像

ミュージカルと映画と小説と

 ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」を観てきた。やっぱり、ホールに行って生の音楽、生の演技を見るのはいいですね!ということで、今から書くのはほとんど「ブロードウェイと銃弾」の感想ではありません。帰りの車でぼんやり考えたことを書きます。


 帰り道、運転しながらぼんやりと思ったのは、「ああ、たぶん私はミュージカルみたいな小説を目指すべきなんだ」ということ。ミュージカルみたいな小説ってなんだって話なんですけど、構成と心情描写の話です。私、とにかく構成力がない。そして、最近すごく思うのが心情描写が弱い。情景描写は好きなんでなんとなく書けるけど、本当に心情描写となると筆が止まる。というか、ひどいときは心情描写がないときすらある。でも、うまいな、とかすごく心を掴まれる、ぐっとくる小説は心情描写がうまくて、その登場人物の考えていることや感情の表現が好きなことのほうが多い。

 映画が好きなので映画の脚本の本のほうが理解しやすいかと思い何冊か映画脚本術みたいな本を読んで、好きな映画のストーリー構成を自分の中で考えてみたりもした。でも、この時気づいてなかったんですけど、映画ってそもそも情報量が多い。人物、音楽、映像。しかも、映像に関していうとカメラワークが自由。だから、映画って情景描写が表現しやすい。反対に、舞台で行うミュージカルは、観客に届けられる情報に制限がある。セットや衣装、小物を変えられても映画のように特定の物だけを移すような方法がとれない。パン、ズームができない。映画でよくあるような登場人物の感情を言葉ではなく、風景に投影して観客にその解釈を任せる、みたいな手法が難しい。どんなに目がいい人でも、オペラグラス等を使わなければ、役者の表情まで確認することができない。だから、ミュージカルなら歌でその心情を伝えるし、舞台なら照明や体の動きで伝える。つまり、より心情をストレートに客に伝えているような気がする。構成に関しても、ミュージカルや舞台はよりコンパクトに素直になっている気がする。観客に対して最短で強く届くように作られていると思った。

 と言うこで、今まで比較的映画のような情景描写中心の文章を書いてきたが、なんとなく意識すべきはミュージカルのようだと思った。とにかく、心情の描写と構成をミュージカルに倣って頑張りたい。

 「ブロードウェイと銃弾」ですが、とても元気になる作品でよかったです!城田優さんめっっっちゃ等身高くてかっこよかった……衣装もみんなめっちゃ素敵でした。あと、役者さんて本当にすごいな……熱というか高揚感があるからやっぱり生で見るのが一番だなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?