カノープスの冒険2 5

カノ5

長い毛の高齢な雌兎だとわかり、スピカは声をかけました。
「こんにちは、おばあちゃん。この辺で月兎を見かけませんでしたか?」
すると、灰色のうさぎは大きくジャンプしてスピカに頭突きをくらわせ、転がしました。
いきなりの攻撃に驚きながら起き上がるスピカに、雌兎は怒鳴りました。
「おばあちゃんですって! デネブおねえさまとお呼び!」 
「すみません、デネブおねえさま。あの、僕、月兎のスピカです。友達の月兎のきょうが帰って来ないので探しに来ました。この辺で見かけませんでしたか?」
するとデネブは、じっとスピカを見ながら答えました。
「この草原にはいないわね」
「ああ、それじゃやっぱり雪原かな? 寒そうだな~」
スピカはため息をつきました。

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