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因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語

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『古事記』でおなじみのワニザメに皮をはがれ泣いていたところをオオクニヌシノミコトに助けられた因幡の白兎。 その後、どのようないきさつで白兎神社に祀られる神となったのかをコメディタ…
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#諏訪大社

因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 6 諏訪でタケミナカタノカミと再会し、護法神と知り合う話

因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 6 諏訪でタケミナカタノカミと再会し、護法神と知り合う話

傍らに置いた木箱をご覧になっておいでなので、お土産を差し出しました。

「スセリビメからの贈り物です。出雲からはるかに遠い国へ行かれてお寂しいでしょうから、お慰めしたいとのことです」

タケミナカタノカミが、しんみりしたご様子で受け取られました。

「おふくろ様が……そうか、ありがたいなあ」

大切そうに木箱の蓋を開けられて中をご覧になり、いかつい男神が固まりました。

わたくしは出雲で中身を見て

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因幡の白兎、神となり社に鎮座するまでの物語 7 白兎神、仏法を妨げんとする悪鬼と戦い、ついに故郷へ帰る話

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ひらめきました! 

剣を鞘に収めて、大急ぎで背中の袋から〝御教訓集〟を出して開いたのです。

「そんなもん、どうするのよ?」

悲痛な鉢巻きの問いに、わたくしは急いでまだ読んでいないところを片っ端から開きながら答えました。

「もしかしたら、どこかに呪いを解く方法があるかも。えっと〝夜目遠目傘のうち〟〝棚からぼた餅〟〝岡目八目〟〝花より団子〟……駄目だ〜!」

「きゃー、もう膝の上まで石よ〜!」

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