ケンタッキー愛してくれフライドチキン

私は油物と私を愛してくれる人の事が好きだ。どっちも落ち込んだときの私に優しい。
あと可愛い人のことも大好きだ。男とか女とか関係なく、おっちょこちょいで素直で優しい人が私は好き。

好意を形にして表現してくれる人も好きだ。
当時の友達からもらった本の栞を今でも大切に持ち歩いていたりする。
私はかなり愛とやさしさに飢えているのかもしれない。
もしそうだとするなら、それには私の過去が関係している。
私は子供のころいじめられっ子だったし、家庭にも(認めたくないけど)問題はあった。
おまけに自己肯定感がめっさ低いせいで、価値基準が他人からの承認ありきになってしまった。
だから私が奇妙な動きをしている時は大体誰かに注目してほしい時だし、私から人に話しかける時はその人と仲良くなって私のことを好きになってほしいときだ。

私は大学入る前も入ってからも恋愛経験はゼロで、別にそれが人生上必要な経験だと思ってもいなかったけど、最近考えを改めたりした。恋愛自体はあんま重要じゃない(というか相手を傷つけそうで怖いし面倒だ)けど、やっぱり人生を共に歩んでくれるパートナーがいるというのは経済的にも心情的にも心強いだろう。
でも、多分こんなことを同世代の友達とか異性に言っても理解してもらえないか、「なんだこいつ」と思われるのがオチだろう。さみしい。
別に恋愛もセックスもいらないから、私をまっすぐ見て、私の生を肯定してくれる人がいたらいいなと最近思う。ハムスターと人間は寂しさで狂うので。私はハムスターではないけれど。
マッチングアプリとかバイト先で仲良くなって……とか色々方法はあると思うのだけれど、いかんせん恋愛とかセックスとかその他もろもろをパッケージとして含まなきゃいけないのが窮屈で面倒くさい。また生殖ですか？

そりゃ私だって人並みに性欲はあるけどさ、それは出会って3時間とかで合体するような類のものではなく、大切な人とお互いに心も体も満たされたらいいな、みたいな欲だ。
そもそも他人はセックスするための器具ではない。
恋愛ってのもなんだろうね、めんどくさそうなのだけは知ってるけど。だって恋心で自分がアンコントロールなのって怖くない？私はかなり怖い。私は一時のホルモンバランスや衝動で感情をぐちゃぐちゃにしたくない。まあそれはそれで美しいものではあるんだろうけどさ、恋の短歌集とか見る限り。
もうインターネットを抜け出して、二人で何も言わずに凪いだ海を眺めていたい。朝食が二人の好きなものばかり出るキッチンでありたい。そんな関係性が理想だ。
優しくて私より精神的に大人であんま怒らなくて言葉がきれいな人、いませんか？いないよね、わかってる。これは虚空に向けた通信です。
ちなみにこのエッセイのタイトルは私が大好きな歌人のたちばなさんのエッセイ「ヤンニョム消えないでチキン」から取られている。勝手にとってすみません。好きすぎて。
皆も読もうね。ヤンニョム消えないでチキン。
それはそうと、私にはネットで性別を公開するとろくな事がないという実体験がある。なんなら年齢だって公開したくはない。だって世界中に「私は性別がこうで年齢がこうで思想がこうで〜す」って公開してるようなもんでしょ？ほぼ全裸じゃん。
だけど同世代のネット友達は欲しい。いっぱいじゃなくていいから、5人位。噓。欲張った。3人でいい。

学校がどうとか、趣味がどうとか、本当に身のないどうでもいい話で盛り上がりたい。
多分私は孤独を感じているのだ。孤独自体は詩を書く人間として悪いことではないけれど、孤独ばかりでは人間は狂う。
パートナーも欲しいし友達もほしいよ。私は最果タヒさんのように友達を嗜好品だと思える強さがない。人に寄りかからなくては生きていけないかよわい人間だ。
かよわいって自分を形容するのは気持ち悪いんだけど、実際よわよわなので仕方がない。
まあでも弱いお陰で、誰かに見てもらいたいと思ってこの文章を書いてるから、弱いのも悪いことばかりでもないかも。弱いってかわいいし。
でも私は弱いから、恋愛とか駆け引きは得意じゃない。もう二次元とかで理想のパートナーを見つけてのめり込むしかない気がしてきたな。
前に好きだった人を傷つけた事もあって、今は恋愛とかマジで勘弁して下さい、って感じになってる。本当にごめん。本人のいない場所でこうやって書いてるのもずるいね。ごめん。
でもさあ、異性にも同性にもいっぱい愛してほしくない？私は愛してほしいよ。別に崇拝してくれとは思わないからさ、隣にいて嬉しいくらいの距離で愛してほしい。私はこの記事を読んでくれた皆の事、愛してるぜ。
だめだ、愛が欲しすぎて(今この文章を喫茶店で書いてるんだけど)気が狂って周りの人たちに抱きついてしまいそうだ。
悪口とか憎しみが減って、代わりに皆の心に愛が染み渡って欲しいよ。そして全員私を愛してほしい。


ケンタッキーフライドチキンの脂身と、読んでくれたあなたに愛をこめて。