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030 ああ、また君のことを書いてる

ああ、また君のことを書いてる。

眉を下げて泣きそうな顔で笑っていた君は、今笑えてますか。なんとなく、もうどこにもいないんじゃないかと思ったりもします。

届かない方がいいような手紙を電子の海に流しては、誰かのハートを貰ったりして、世の中には似たような人が沢山いるんだね。静かにほったらかして別れの言葉ひとつ吐かずに、憎しみの言葉ひとつかけれずに、去っていくような酷い人。

この世が心正しい人ばかりになってくれれば、誰も傷つかないだろうか。いっそ私が一番醜く思えて生きるのが苦しくなるのだろうか。肺が汚れていくにつれて人としても汚れていく気がしていた。辞めたところで染みついた煙は一生残るような気がした。

そういえば君って、タバコは吸うくせにこの世のことを諦めていたくせに汚い言葉は使わなかったね。

そう言うところも好きだった。

君の嫌いなところなんていくつだって言えるけど、君の好きなところを忘れる方が難しかった。

ああ、また君のことを書いてる。

もう掘り返しても遺骨すら残ってないような君のことを書いている。


030 ああ、また君のことを書いてる。

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