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019 さよならを遠ざけてまたねを繰り返している

曖昧にしてしまえば結果を求めずに済むと思って、有耶無耶にして置き去りにしたことがいくつもある。そのたび、もしかしたら私は何か間違えたかもしれないし何か失ったのかもしれない。けれど、その間違いがなければ君はとうの昔に私の側から居なくなっていたのかもしれない。ただそばにいたかった、その一心だった。私の望むそれは一瞬の快楽のようなものではなくて永遠の研究のようなもので、だからこそ男女の関係になるべきではないのだろう。そうだと、思い込まなければやっていられない。本当は男女の関係の上で永遠にそばにいたいと思っている。これはきっと私の話。

発泡酒とサングリアの飲み合わせはなんだかくどいね。胃の中で交わらず息をしている気がする。まるで私と君のようだね、なんて、ありきたりでくだらないだろうか。声に出せないようなことが増え、どうしてこんな不自由な思いで君のそばに居たいと思えるのか、私にも分からない。感情は理性的ではないね。
いっそ。アルコールのせいにして言いたいことなんでも言ってしまおうかな。君が好きなことも君の好きな人を知っていることも押し殺してでもそばにいたいことも今言ったこと全て聞かなかったことにして欲しいってことも。



良い人が近くに居れば行ってねと言いながら、本当はそんな人居なければいいと思ってる。そして、君にもそう思っていてもらいたいと思ってる。でも現実はそんなふうにうまくいかないことも分かってる。
分かってるよ。いつか君は私との日々よりあの子か、はたまた見ず知らずの誰かとの日々を選んで私のそばにはいられなくなる。私も、誰かの嫌悪の中君のそばに居られるほど悪人にはなりたくはないみたい。

だから、今だけは、今を永遠みたいに続けられるように私の心まであやふやにして発泡酒とサングリアで流し込んでしまうんだよ。胃の中で混ざり合わない私たちってきっとどこまでも他人なんだよね。さよならを遠ざけてまたねを繰り返している。これも全部、私の話。


019 さよならを遠ざけてまたねを繰り返している

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