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おそらく恋みたいな話
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2022年7月の記事一覧

間違ったことをしただろうか。今はない貴方と過ごした日々は、無駄な時間だったろうか。今でもあの夏の匂いが濃い。いつか意図せず霞むとして今は何にも埋められない感傷が頬を撫でる。喉を焼く。まだ歩道を一人分右に寄って歩いてしまう。貴方にもらったすべてが憎い。ひどく愛おしい。

019 さよならを遠ざけてまたねを繰り返している

019 さよならを遠ざけてまたねを繰り返している

曖昧にしてしまえば結果を求めずに済むと思って、有耶無耶にして置き去りにしたことがいくつもある。そのたび、もしかしたら私は何か間違えたかもしれないし何か失ったのかもしれない。けれど、その間違いがなければ君はとうの昔に私の側から居なくなっていたのかもしれない。ただそばにいたかった、その一心だった。私の望むそれは一瞬の快楽のようなものではなくて永遠の研究のようなもので、だからこそ男女の関係になるべきでは

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