モテる人とモテない人の違いは聴いたことの活かし方

ン十年前に名古屋市内の繁華街でホステスをしていました。短い期間でしたが、この経験は今の私に多大なる影響を与えていて、凝縮したコミュニケーションスキルを身に付けることができた貴重な体験でした。
世のおじさまたちがキャバクラやスナック、クラブなどに通う気持ちはいたってシンプル。単細胞生物並みに単純です。それは、

話を聞いてくれるから。

会社でも家庭でも話を聞いてもらえていないのに、そこに行けば話を聞いてくれるから。
私も含め彼女らは仕事ですからね、ちゃんと話を聞いてくれますよ。ここでポイントなのは「聞いて」くれること。これが「聴いて」くれるになると、指名も売り上げも収入も上がります。

私の周りの男性でこうおっしゃる方がわりといます。

「最近の店はさ、俺ばっかりしゃべって女の子たちを楽しませてやってんだよ。」

このような類の発言を聞くたびに「俺が楽しませてやってる」という、自己有用感を持たせてくれる女の子の方が一枚上手と心の中で思っています。

このようなお店に通う男性の中でも、モテる人とモテない人がいます。お店でモテる人は、お店の外の社会でもモテます。
疑似恋愛の縮図のようなあの空間には、モテのヒントがたくさん転がっています。それを拾えるかどうか。

恋愛だけではなく全てのコミュニケーションにおいての基本はまずは「きく」ことです。

私がホステスだった時に一番心がけていたのは、お客様の話を最後まで聴き切って覚えておくこと。
水割りを作りながらでもおしぼりを渡しながらでも耳だけはフル活動で生きていますので聞いてはいますが、それを覚えておくには「聴く」ことが大事。聞き流してしまっては覚えていられないからです。

こうして聴いたことを最大限活かすのに必要なのは、時間差です。
次にご来店くださった時に「あの時お話しされていた○○ってどうなったんですか?」とか「前回そうおっしゃってましたよね」とか。つまり『あなたのことはちゃんと覚えています』ということ。

もう一つ、お客様が話している途中、何かの原因で会話が遮られてしまうことがあります。例えば、誰かが会話に割り込んできてしまったとか、どうしても席を立たなければならなくなったとか。そうなるとお客様はまだ話の途中だったのに・・・となってしまいます。そんな時も時間差で「それで、さっきの続きはどうなったんですか?」などと言って話しを本人に戻します。これによって『あなたが話している途中だったことは忘れていませんよ』と伝わります。

これはほんの一例で、ホステス時代には他にもたくさんの生きたコミュニケーションを体験しました。少しの違いで、お客様が再来店してくださるかどうかが変わります。量販店で買えば安いお酒を何倍ものお金を払って飲みに来てくださるのはなぜか。
自分の言いたいことばかり喋って、相手の話を覚えるどころか聞きもしない。そんな人がモテるわけがないですね。これは恋愛だけの話ではありません。仕事をしていく上で、自分の商品やサービスを買っていただくために必要なことです。
お客様の話を聴きそして覚えておくこと。

彼女たちはプロです。自分自身そのものが商品であり男女問わずお客様に楽しんでいただき、お客様にモテることのプロです。
つまり、お客として来られる男性の皆さんも、女の子たちのコミュニケーションスキルを観察して真似してみればモテに繋がるってこと。ボトルを入れた分くらいは、自分の身なるよう学んで帰りましょう。

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