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北海道大学前期数学(理系)難易度評価

 おはろん、昨日は国公立大学後期日程の日です、更新遅めのしらすです。

 今回は久しぶりの勉強記事。私が4年前に受験した北海道大学の、2021年度数学の問題のレビューをする。(数学アレルギーの方、ごめんなさい)

 北海道大学の問題はかなり標準的な問題が多い。ゆえに普段の問題演習に最適なものがそろっているともいえる。今年も解いていてそう感じた次第だ。

 問題はコチラから。(駿台様は神です)

 それでは、今日も最後までご覧あれ...。

難易度の大まかな基準

 難易度は以下のような感じで評価させていただく。

★1→北大志望なら満点取れる問題。落とすとほぼ死亡
★2→北大志望なら取っておきたい問題。落とすと少し危険
★3→北大合格の分かれ目問題。中間点を稼ぎたい
★4→数学得意なら得点源にしたい。解けなくても合格にさほど影響なし
★5→ほぼ無理。10点でも取れたら高得点。

第1問(ベクトル 難易度:★★★☆☆)

 ベクトルの標準的な問題。(1)は垂線を引いたところから内積が0を見抜けたか、(2)は相似な三角形(△ABFと△AMD、点Mは点Dと点Eの中点)が見つかるとOMベクトルを式で表せる。そこまで来たらOEベクトルを表すのは容易。(3)が解けたかどうかが大きな差となるだろう。

 (3)は、図形の比の力を借りて△BDEを△OABを用いて表せたかがポイント。こうすれば、あとは問題で出された値を代入するだけ。(1)、(2)で計算ミスをするとその比もミスっているため間違いになってしまうのだけ注意。少し難しめなので

第2問(微分など 難易度:★★★☆☆)

 二次関数とその接線の交点という、共通テストなどでも出題されそうな題材。しかし、点Bのx座標がa+2と設定されていることにより計算がやや面倒になっている。(1)は接線の公式を覚えていればそれだけ。根気よく計算しよう。

 (2)も根気よく計算するだけ。直線BCの傾き、相加・相乗平均を用いるとより楽にaの最小値を出すことができる。だが、最小値を求める部分でゴリゴリに微分しても時間的な差はそこまでないだろう。

第3問(指数・対数関数、微分など 難易度:★★★★☆)

 指数・対数関数の応用。私はこの単元が少し苦手であるため難易度高めの評価。(1)から発想の転換が求められる。与えられた数式をきれいに整理すると3^(4x)と3^(y^2+1)についての二次方程式となるため、それがわかれば勝利。これに関しては、数学がそこまで得意でなければ白紙解答もあり得る。

 (2)は、最初の変形が肝。底を4とする対数に置き換えることで数式を簡単にし、(1)の結果を用いて最大値を求める。これも最後はゴリゴリ微分で構わないが、微分した際の式の定義域だけ注意。

第4問(数列 難易度:★★☆☆☆)

 数列、というより漸化式関連の数学的帰納法。(1)はただの操作ゲーム。c_2 = a_2 * b_2、与えられた漸化式とa_1とb_1の値を入れるだけ。受験勉強していたならば誰でも解ける。

 (2)以降は証明。しかし「自然数n」に対する証明は、実はほとんどの問題が数学的帰納法で証明可能である。それがわかっていなくとも、「数列やし、数学的帰納法やろ」でも対処可能。(3)は計算が少し面倒なため、ミスなくこなしたい。得意科目にしている人なら満点取りたい大問。

第5問(微積など 難易度:★★★☆☆)

 私は、合格と不合格の差がこの問題にあると思っている。難易度は3となっているが、2という人がいてもおかしくはない。

 (1)は問題文に従いましょうね、というだけ。xの最小値を聞かれているので、それに関するθで微分して増減票を書くという、数Ⅲの基本問題。これは取っておきたい。

 問題は(2)だ。媒介変数表示と積分の応用問題については、正直やったことあるかないかの経験の差で解ける解けないが分かれると思っている。それさえわかれば点数を取れるし、逆にそれがわからないときつい。そんな問題だ。ただ、積分自体も少し面倒。丁寧にやると、経験値によっては満点が狙えそうだ。

総括(難易度:★★☆☆☆~★★★☆☆)

 確率や複素数が出題されなかったのは驚きだった。これも教育改革の一片と見るべきか。微分や積分など関数の操作をする問題が今年は多く見られ、全体的に難易度はいつもより低いのではないかと思われる。満点を狙える大問もいくつか存在するため、基礎的な知識を出すスピードと計算ミスをしない力が問われたといっても過言ではない。

 しかし、来年はこれよりかは難しくなるだろうし、確率や複素数が出ない確証もない。特に複素数は現役生ほど対策不足になりがちなので、今のうちに基礎をつけておくことをお勧めする。相変わらず数列とベクトル、微分積分は毎年出題されているため、早めに手を打っておくならその辺だろう。指数・対数は捨て問にしても問題はなさそうだ。

受験生は今からこれをやろう!

 これから受験生、浪人生になる方には以下のことが早めにできるようになることをお勧めする。

・教科書の例題レベルの問題の解法を2秒でアウトプットできるように訓練する(難しい問題を解く時間を作れる。コンスタントにとれる点数が上がる)
・確率、数列、ベクトル、(習った人は)複素数、微分積分の難しめの問題になれておく(二次試験に対する早めの対処、数学の考え方ができるようになる)
・これらができている人は、ひたすら演習して計算ミスを防ぐ練習をする(余計なマイナスを減らせる)

 正直、計算ミスは共通テストでは致命的であるが、二次試験では6割ほど取れていればいい上に中間点の存在があるので後回しでもよい(私はそうやってたっていうだけです)。それよりも解くための発想だったり道具だったりをまずはそろえるのが優先的だ。簡単な問題を処理できる能力、難しい問題でも対応できる能力を先に身につけよう。

 文系は、時間あったらやります...。

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