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心に響く歌詞の意味1『マリーゴールド』

 私は吹奏楽を10年以上やってきたこともあり、音楽に造詣がある程度ある。自分も演奏してきたし、色々な音楽を聴いてきた。

 ただ、最近までそこまで歌詞に着目したことがなかったなぁと思い、色々なJ-POPの歌詞を検索してみることにした。
 そうすると音楽のない文字だけの世界にはその作詞家の世界観の芯が見えたりして面白い。

 一応歌詞考察シリーズとしてこれからやっていこうと思う。その第1弾が『マリーゴールド』である。

とにかくまっすぐな歌詞『マリーゴールド』

 まずは最初のAメロからサビ前までを見ていこう。

風の強さがちょっと 心を揺さぶりすぎて
真面目に見つめた 君が恋しい
でんぐり返しの日々 可哀そうなふりをして
だらけてみたけど 希望の光は
目の前でずっと 輝いている 幸せだ

 仮に主人公を「ワタシ」とする。前半の部分は、ワタシのことをしっかり見つめてくれていた君の瞳が、今では風でさえ心が揺れてしまうくらい見なくなってしまった。
 後半は、「もっと構ってほしい」そんな思いでだらけたりしてみたんだけど、やっぱり君は今でも輝いている希望の光、それこそ幸せなのだと。

 前半のなんか切ない気持ちの部分がこのBメロ一行だけで変わってしまう、魔法みたいだ。

 そこからサビで回想が始まる。

麦わらの帽子の君が 揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと 懐かしいと笑えたあの日の恋
もう離れないでと 泣きそうな目で見つめる君
雲のような優しさでそっとぎゅっと 抱きしめて抱きしめて離さない

 前半がまさに回想で、麦わら帽子をかぶった君の姿を見て「懐かしいと笑えたあの日の恋」を思い出す。
 きっととても甘酸っぱいのだろう。その後、君は「もう離れないでと鳴きそうな目で見つめる」のだ。

 本当はものすごくお互いを大切にしているはず、それが少し伝わらないだけで不安になるんだけど、泣きそうになるくらい大切にしたいという思いがあるのだから、優しく抱きしめて大切に離さないようにしたくなったのだ。

 続いて2番。

本当の気持ち全部 吐き出せるほど強くはない
でも不思議なくらいに 絶望は見えない
目の奥にずっと写るシルエット 大好きさ

 本音を吐き出せるほどのメンタルは持ち合わせていない。それでも、目の奥に写る、つまり記憶に残るほどの君の姿が大好きであるから、君のことを考えるだけで不思議なくらいに絶望しないのである。

 とにかく純粋なワタシという存在。見える愛がないといけなかったのが、目の奥に写るほど記憶に残ると、とても記憶に残るかけがえのない存在になるという純粋な存在。まっすぐな恋というやつを堪能している気がする。

柔らかな肌を寄せあい 少し冷たい空気を二人
かみしめて歩く今日という日に なんと名前を付けようかなんて話して
ああ アイラブユーの言葉じゃ 足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから いつまでもいつまでもこのまま

 太字に注目。何故二人で冷たい空気を吸っているのだろう?単に季節の問題だろうか、それとも一番で少し冷めていた気持ちが複雑に孕んでいるのだろうか、皆さんはどう思うだろう?
 その後は、今日という素晴らしい日にはアイラブユーだけじゃ足りないほどの愛があふれているからキスをした。雲の影でも、いつまでもこのままであってほしいと願うだけなのだ。

 そして最後

遥か遠い場所にいても 繋がっていたいなあ
2人の想いが 同じでありますように

 最後(Cメロ)に素直なワタシが現れる。
 どんなに離れていても2人の想いは変わらずにいてほしいという、カップルのまっすぐな無垢な思い。神様に届くといいな。

素直になることの大切さが分かる

 自分は目の前の君が好きだ。本当はそんな純粋な思いから始まる恋も、いつかは冷めてしまう。しかし相手は泣きそうになりながら愛を語ってくれて、そんなに純粋だった彼の思いに応えるしかない。だから自然と好きになれたし、相手のことを考えていれば絶望なんかない。

 純粋に君が好きだ。それがどれだけ大切で、どれだけ素晴らしいことかがこの歌詞のすべてなのだと思った。
 『マリーゴールド』というタイトルは、そんなかけがえのない存在の象徴なのだと私は思っている。本音をうまく伝えられないけど、ずっとこの時間が続けばいいな、この存在と共に過ごしたいな、と自分に素直になってどこかに話しかけているのだろう。


fin.

追記

 『マリーゴールド』のPVって最初は天気悪かったり暗い部屋だったりするのが、最後には雨が止むっていう設定いいですよね。ワタシの想いが明らかになるみたいで。

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