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詩「美しい痛み」

  雨は槍のように
 風は手のひらのように
 僕を貫き 叩くのです

 孤独の微風を感じて
 無限に続く 薄桃色のお花畑の真ん中
 僕は晴天を仰ぎ
 欠伸を漏らしました

 一雫の涙が 頬へ落ち
 それが 誰かの夢や希望へ
 繋がればいいなどと
 思ったのです

 僕が諦めてしまった 大義たちよ
 彷徨いながら
 また誰かに 美しき痛みを与えるのですか?

 どうか どうか
 僕がこの世から 居なくなった暁には

 あなたの胸に温もりが宿りますよう
 この世界が憎しみに溢れ
 絶え間ない戦争と飢餓に悶え
 人知れず叫びが 宇宙の彼方に砕け散る
 そんな絶望に おびやかされても
 あなたはどうか 僕がここに願うように
 ちっぽけな言葉を瞳に受け
   愛をその胸に孕まんことを

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