見出し画像

15年を思い返したら意外と海外ロケが多くて、けっこうトラブルにあっていた

大学を出てSIONに入り、既に15年くらい経った。
運がいいのか悪いのか、海外に行く機会が多かったように思う。
インドでは裸でゾウに乗ったし、フィリピンでは軟禁状態に。タイでは警察のお世話にもなった・・・

自己紹介

現在は日本テレビ「ぐるナイ」「スクール革命!」をレギュラーで担当しています。ナインティナイン・千鳥ノブさん・内村光良さんといったスーパースター達と仕事ができているのはとても幸せだと思っています。

プロフィール

AD1年目でコロンビアへ

2006年入社、同期のほとんどが日テレの番組に配属される中、自分が配属されたのはTV東京の「音遊人(みゅーじん)」というアーティストに密着するドキュメンタリー番組。avexの野外ライブで、安室奈美恵さんとすれ違ったことは、今でも忘れない!
そして、コロンビアに2週間のロケに行くことに。。。密着していたあるアーティストが、現地のクラブで演奏するというので僕らもカメラを持って同行。
そこではマリファナ(コロンビアでももちろん違法)なんかをやってる人がいて「お前もどうだ?」と言われたがもちろん「NO!」と断った。初の海外ロケ、「世界ってやっぱりスゲーな」と思った。

裸で象に乗る@インド

2年目からは「ぐるナイ」に異動。ある時、インドにロケをしに行くことに。ロケハンに行ったのは担当ディレクターと当時副社長だった海野社長、そしてADだった僕。
「インド象に乗ったまま像と一緒に水浴びが出来る」というので、下見へ。服を脱ぎ象の上に。どこで汲んできたかわからない汚い水を象がすすり、背中、つまり僕めがけてバシャバシャとかけてくる。生ぬるくて臭かった。なかなかの勢いでかけてくるので、何回か飲んでしまった。しかも、そのままガンジス河へ。聖なる川の水も何口か頂いた。
次の日の朝、39度近い発熱。
ロケハンを休ませてもらいインド人の医者をホテルに呼び療養。
その日、僕がやるはずだったロープに吊るされて逆さになるというヨガのシミュレーションを海野さんがやってくれたと聞いた。改めて、「海野さんごめんなさい。」

インド

人生初軟禁@フィリピン

ディレクターとしてフィリピンへ1人でロケに行った時のこと。
ある朝、ホテルで予定より早く起床しコーヒーでもと思いベランダへ。10分ほど経って部屋に戻ろうとすると、オートロックでもないのになぜかドアが開かない。奇跡的に内側から鍵がかかってしまっていた。
地上10階のたたみ一畳ほどのベランダにセルフ軟禁状態に。ケータイも部屋の中にあるため、時間もわからず誰にも連絡もできない。隣の部屋もまあまあ遠い。
「おそらく今は朝7時くらい。ホテルに車が来るのは9時だったよな。」
とにかく、誰かに気付いてほしいと「HELP!」を連発。

フィリピンホテル

30分位経っただろうか・・・

中庭をはさんだ向かいのホテルのベランダに白人のカップルがでてきた。笑っている。「なぜだ、こんなにもピンチなのになにが面白いんだ!」と怒りがこみあげてきたがふと気が付いた。僕はパンツ一丁で叫んでいたのだ。

さらに30分ほど経ったと思う、中庭にホテルの従業員らしき人が。

僕の「HELP!」が聞こえたのか「ちょっと待ってろ」的なことを言って数分後、僕の部屋の隣の窓から顔を出した。エレベーターホールらしい。事情を説明し「鍵を開けてくれ」と頼んだ。
「分かった」と言ってトランシーバーに話している。数分後、彼は「今、合鍵を持ってるオーナーはここから10kmほど離れた場所にいる。 持ってきてくれるから、ちょっと待っとけ。じゃあな」と言った。
「なんで合鍵がホテルにないんだよボケ!」と言いかけたが、待つことに。しかし、どれだけ待っても誰も来ない。
そして再び彼が窓から顔を出した。「連絡がつかなくなっちゃった・・・」「ふざけんな!」既に2時間は経ったはず。集合時間はたぶん過ぎている。

「もうお金払うから、鍵を開けてくれる業者に連絡して!」と言うと10時から営業開始だからまだ始業してないという。「お金払うから、ドア壊して!」と言ったが、もちろんムリだった。

結局、合鍵を開ける業者が到着し、僕が部屋の中に入れたのは11時過ぎ。大急ぎでタクシーで現場に到着、3時間遅刻。
以来、ベランダに出る時は必ず窓を開けっ放しにしている。

強盗事件!?@タイ

こちらもディレクターでタイへ1人でロケに行った時のこと。
昼過ぎにパタヤビーチに到着し、ホテルにチェックイン。4つ星のホテルで、荷物を運んでくれたポーターの女性従業員も感じがいい。聞けば、「屋上にプールがある」という。
その日は夜に取材があり、それまでは自由時間なので、プールで時間をつぶすことに。

タイ事件ホテルプール

「みんな日本で働いてるのに、まるで夏休みみたいだな・・・」なんて思いながら1時間ほどプールで過ごし、換金をしに行くために部屋に戻った。

タイ事件の部屋

何かがおかしかった。
部屋を出る時、スーツケースは閉じていたはずなのに、開いている。
「閉め忘れたかな?」と思い換金に行こうとロケ用の財布を取り出す。
「とりあえず50000円くらい換えておけばいいかな」と中を見ると10000円しかない。預かったのは50000円だったはず。自分の財布も見る。30000円はあったはずなのに、こちらも10000円しかない。

血の気が引いていくのが分かり、目の前がグニャッとなった。
フロントに走り、「金を盗まれたかもしれない、警察呼んで!防犯カメラも見せてくれ!」と叫んだ。奥からスーツのお偉いさんが出てきて、「落ち着いて事情を話してくれ」と。話をすると、防犯カメラを見せてくれるという。

1時間ちょっと前の映像を早回しで確認する。
・僕とスーツケースを持ったポーターの女性が部屋に入り、女性が出ていく。
・10分後、水着姿の僕が部屋から出ていく。
・10分後、ポーターの女性が僕の部屋へ。
・5分後、女性が出ていく。
・5分後、ポーターの女性が僕の部屋へ。
・5分後、女性が出ていく。
・5分後、ポーターの女性が僕の部屋へ。
・5分後、女性が出ていく。
・20分後、僕が部屋に戻ってきた。

「プールがあるよ」と教えてくれた女性従業員が、僕の部屋に何度も出入りしていた。気持ち悪くて吐きそうになった。「金を盗んだのはおそらく彼女だ!呼んできてくれ!」

彼女がやってきた。カメラの映像を見せて「金を返してくれ!」と言うと、彼女は「とってない」と言う。冷蔵庫を確認しに行ったとか、清掃に行っただけだとか言っている。彼女以外に部屋に入っていないのだから、どう考えてもおかしい。
別の従業員がボディチェックをしても金は出てこなかった。
すると、Tシャツに短パンの男がやってきた。タイ警察の人らしく、今日は非番でテニスをしていたらしい。
ホテルのお偉いさんが連絡してくれていたのだ。

警察を交えて話しても、ポーターの彼女は「冷蔵庫の点検に・・・シャワーの水圧チェックに・・・」とシラを切り続けた。

すると、タイ警察が僕にボソッと「こいつで間違いないと思う。必ず金を見つけてやるから待ってろ」と言い、ホテルの従業員と共に全ての空き部屋を探し始めた。ベッドをひっくり返し、引き出しをすべて開け、排水溝をチェックした。

その間、僕と女性従業員も同行した。
探している間、彼女はずっと面倒くさそうな顔をしていた。

どこを探しても見つからない。

2時間ほど経過した。
するとタイ警察の男が、「彼女と2人きりにしてくれ。必ず吐かせるから・・・」と部屋へ。

15分後、僕はフロントの奥に呼ばれた。
タイ警察の男がいた。手には日本のお札が数枚。

「見つかったの!?どこにあったの!?」と聞くと警察の男は「地下のリネン室にあったぞ」と言った。聞けば、女は金を盗った後、リネン室に通じるダストシュートに金を放り込みあとで回収に行く予定だったのだそうだ。
「彼女に会わせてくれ!」と言うと、「もういない、彼女はクビになった」と言われた。

その後、事件解決した証拠として写真を撮った。
僕が戻ってきたお金を手に持ち、その横でタイ人警察がピースをしていた・・・

それから海外に行くときには必ず金庫を使うようになりました。

と、ここには書ききれないが、まぁ海外ロケでは本当に色んな事がある。
コロナが収束したら、また海外ロケに行けるといいな。

タイのビーチ

株式会社シオン
ディレクター
菅谷 陽介

★「社員マガジン」は毎週火曜12時更新!

画像8


この記事が参加している募集

自己紹介

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!