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男女6人組ハイブリッドロックバンド AliA|入門編にぴったりな3曲を挙げてみた

AliAというバンド名を耳にしたことはあるだろうか。

キーボード、ヴァイオリンをバンド隊に組み込んだ演奏形態により、フレキシブルなサウンドを紡ぎ出すことから"男女6人組ハイブリッドロックバンド"と呼称される、人気上昇中のバンドだ。

あくまで演奏の軸はオルタナティブ・ロックであり、そこに肉付けする形でヴァイオリン、ピアノによる重厚な音色が覆い被さる。

【メンバー】
・AYAME(ボーカル)
・ELEN(ギター)
・SEIYA(ベース)
・BOB(ドラム)
・TKT(キーボード)
・RINA(ヴァイオリン)

美男美女揃いで、宣材写真を一目見たただけでは「学園祭の延長線上でたまたま売れたラッキーバンドなんじゃないの?」と、とんでもない勘違いをされてもおかしくはないが、もしそんな偏見を持っているとしたら、今回の記事をきっかけに捨て去ってほしい。

そんな願いもこめて、今回はAliA入門編としておすすめの3曲を紹介していく。

かくれんぼ

『かくれんぼ』は、2019年2月20日にリリースされたアルバム『Alive』のリード曲。

Apple Musicのトップソング内で一番上に表示されるため、AliAの中では最も知名度・注目度ともに高い曲といえるのではないだろうか。MV再生数は驚異の1300万回超えで、『かくれんぼ』の人気の高さは一目瞭然である。

<いっせーので鳴り響いた スタートの合図>と、喉に力を一点集中してボーカル・AYAMEが放つ歌い出しに惹きつけられる。"いっせーの"と聞くと、KANA-BOONのキラーチューン『シルエット』の一節が思い浮かぶが、"いっせーの"というフレーズにはもしかしたらヒットの法則が隠れているのかもしれない。

どこまでも奥行きのあるシンフォニックなサウンドを、パワフルさに満ち溢れたボーカルと共に堪能し尽くせるのが『かくれんぼ』の魅力である。

「AliAとはこういうバンドだ」と、自己紹介をしてみせるかのようなAliAの代表曲だ。

おにごっこ

『おにごっこ』のMVは、安中総合学園高等学校ダンス部とコラボして制作されている。

<出来上がる僕らの道標>など歌詞から滲み出る青春性はもちろん、ヴァイオリンをフィーチャーしたサウンドが、青春の持つ刹那性であったり、青春に賭ける者たちが放つ美しさといったものを力強く後押しする。

青春にも様々な形があるが、この『おにごっこ』が示すのは仲間と共に汗を流す、キラキラした青春である。

AYAMEの歌声もどことなくスウィーティーで優しさに満ちており、賛美歌的な要素を強く感じる曲だ。

Discord

"discord"の意味は、"仲違い、不仲"。

これまでに紹介した2曲とは調子が異なり、ディストーションを効かせるギター、刺々しいベースが前のめりに存在を主張し、タイトル『Discord』の意味する負の感情をサウンドに落とし込んでいる。

<私はあなたが嫌い>と毒々しいフレーズを言い放つAYAMEは、『かくれんぼ』で<色付けていく ここから>と希望を歌うAYAMEとは、まるで別人のようだ。

感情を爆発させ、説き伏せるかのごとく繰り出されるラストサビ前のパート<都合のいいように〜/もう嫌なんだよ!>からは、"ハイブリッドロックバンド"としての挑戦的姿勢、引き出しの多さが感じられる。

最後には<私はあなたが.../私は私が嫌い>と、鋭利な言葉をドロップ。"あなた"にひたすら憎悪を向けていた自分自身に対し、嫌悪感を抱く形で終わるのが印象的で、連続ドラマのワンシーンを思わせる生々しい言葉選びも『Discord』の魅力だ。

最後に

以上、AliAの入門編に適した3曲を紹介してきた。

AliAはキーボード、ヴァイオリンをバンド隊に加えることで、『かくれんぼ』のようにストリングスの華やかさに振り切ったサウンドから、『Discord』のように重低音が波打つエッジの効いたバンドサウンドまで、表現豊かなサウンドを実現している。

AliAが今後売れていくのは間違いないが、彼ら自身が"ハイブリッドロック"をどう再定義し、柔軟に展開していくのか。そこに注目して活動を追っていこうと思う。

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