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闇の将軍のこと① 再々再演と再演に向けて

3年ぶりに闇の将軍四部作の稽古が始まります。
私は4作のうち2作「夕闇、山を越える」と「常闇、世を照らす」にて、田中角栄の愛人・芸者の「円弥」辻和子を演じます。

2016年の「夕闇」の初演から7年。作品への愛着が湧き、作品の面白さに自信がつき、共演者や各スタッフの皆様に対しては尊敬だけでなく親戚のような親しみも感じており、最終公演だと告げられていた打ち上げでは「私は俳優としてこの作品に育ててもらいました」と、めちゃいい感じの感謝を述べるも…また再演されるという、長く作品と付き合う事の醍醐味を味わっております。
しかし7年。私も年を重ねて、時代も変わって、新しい情報も出てきて作品へ向けられる眼差しも変わってくるように思います。
2023年の作品として新たにご覧いただくために、研鑚に励んで参ります。

せっかくなので作品の思い出話をします。
夕闇2016年の初演から。
初演の美術、庭園や飾り窓が好きでした。
明かりが当たるとまた美しかったんですよね。
あとこれどこでも言ってしまってるんですが、迷いが大きかったです。
当時の価値観と現代の価値観の違いから、男性に囲まれる中で女性としてどう在るかで悩んでたみたいです。
それと着付けが下手でお腹が痛くなっていたりしてました。

2018年の再演は、これもどこでも言ってるんですけども「宵闇」で佐藤昭さんが登場された事で初演の迷いの幾つかが解消されました。
「対」となるわけではないのですが、あの部分はあちらの女性にお任せしてこの部分は私が担当しますね、というように軸が出来たように思えてずいぶん気が楽になりました。

2020年の再再演では、続々編となる「常闇」で20年後の姿が出てくる為、「夕闇」は美しく光り輝く青春時代という新たなイメージが生まれました。続編が作られた事で過去という視点が加わったんですよね。
1作品だけの予定だった初演の頃にはそこまで想像できなかったです。

常闇2020年の初演、晩年のお姿は円弥さんの著書「熱情」にも、その他関係者の本でも書かれていておりますが、何を大切に思っているのかは明白であったように感じました。その感じ得た事を届ける一心でした。
また、新潟りゅーとぴあ能楽堂での公演が強く印象に残っています。

これは当時の日記

公演に向けての稽古がこれから始まります。
今までの経験と関係値はしっかりありますが、まだまだこわい事や分からない事やできる事があるよねと、みんなで挑戦ができる現場です。
より面白い作品をお届けしたいと思います。
よろしければ、劇場に足をお運び頂ければ幸いです。
公演情報はこちらです

ありがとうございます