タイムカプセルには、ロクなこと書いちゃダメ。
昨年のクリスマス、私は友人とタイムカプセルたまごを割った。たまごの中にはカメラフィルム入れが入っており、そのフィルムケースには、当時好きだった銀魂のキーホルダー、仲良くしていた友達とのプリクラ、そして何かが書いてある紙だった。この紙が一番面白くて、とてつもなく怖いモノだった。
そこには自分の志望大学や夢が書かれていたが、それよりも印象的だったのは、好きだった人の名前が書かれていることだった。その名前を見ると、その人に抱いたさまざまな感情を思い出した。中学時代の自分が感じていたトキメキ、高校時代に付き合った頃のキラキラ、別れた時のズキズキ、そんなものを思い出した。
「ああ、そういえばそんな感情もあったな。」エモーショナル、というとなんか安っぽく聞こえるが、なんかこう、恋はごちゃ混ぜな感情の塊だったのか…ということが思い出された。
…なんていうことは、ウソである。思い返している今だからこそ、こんな感傷にふけったような気持ちになっているものの、友人といる手前、カプセルを開けて紙を見た直後に感じたのは、正直「恥ずかしさ」だけだった。
過去の私は、どうしてその人の名前を書いたのか。今までの私(小中高の自分)の性質を考えると、見返した時に恥ずかしくなるような内容を書くとは思えない。
恋をしていた当時の自分が、未来の私に乞い願っていたのかもしれない。そんなことを考えてみる春の夜であった。
今日のところは、こんなもので。
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