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得意料理が卵焼きになったきっかけ。

私の得意料理であり、自分で初めて作れるようになった料理は、「卵焼き」です。そして、お弁当のおかずで1番の好物であるのが、何を隠そうそれが「卵焼き」なのです。(タイトルからしても全く隠れてはいないが)

私の卵焼き史は、小学校までは給食だった昼食が、お弁当の持参に変わった中学校時代に始まります。お弁当文化が私の中で根付いた頃に、食にがめつかった私と、心の優しい友達との間で、「卵焼き交換会」なるものが定期的に開催されました。その際に、私の周りの友達の卵焼きが、うちの家庭のものと、見た目・味が違うことを知ったのです。私は関西生まれなので、やはり白だしの入った出汁巻きの卵焼きが一番好きでしたが、友達の家の卵焼きは、ほんのり甘く香ばしいものであったり、塩味でシンプルなお味だったり、味は違うのにどれも美味しくて。家庭によって卵焼きの味はこんなに違うものか!と衝撃を受けた覚えがあります。そんな大好きな卵焼きへの思いから、いつしか私は「自分で美味しい最高の卵焼きを作って、そして自分で食べたい!」と思うようになりました。何も不自然なことではありません、だってお弁当は毎日学校でお昼に食べる、貴重な、大切な一食ですから。また、このように考えるようになったのは、日頃私の親が作るお弁当のおかずのレパートリーの少なさから来る、少しの不満も理由の一つでした。母の作るお弁当は、卵焼き・ウインナー・サラダ・おにぎり・蒟蒻畑(デザート)というラインナップであることが殆どでした。(今思えば、お弁当を作って貰えるだけでも有難く思え!って話ですが)そんなお決まりのラインナップに嫌気が差した私は、自分で毎日お弁当を作ることを決めたのです。(結局、毎日は作れておりませんが)そんな時に、作る際に自分なりにこだわりにこだわったのが、卵焼きなのでした。

〜現在も、ほぼ変わらぬだし巻き卵焼きレシピ〜
〇材料〇(お弁当分+つまみ食い分)
たまご 2個
白だし たぶん大さじ1~2くらい(正直、目分量)
サラダ油 適量

① たまご2個をボウルに入れ、ガザミをとってから、白だしをジョジョジョ〜(目分量)と注いで、溶く。
② 卵焼き器を熱し、サラダ油を全体に馴染ませる。油があたたまれば、①で溶いた卵液の約4分の1の量を、卵焼き器全体に広げる。
③ 卵液に熱が通れば、クルックルと四角いロールケーキを想像し、折りたたむようにして、熱の入った卵を巻く。
④ 巻き終われば、その巻き終わった卵を端に寄せる。卵焼き器に油を少しひいてから、寄せていない部分に少しの卵液を入れる。
⑤ そして②〜④の工程を、卵液がなくなるまで繰り返す。四角いバウムクーヘンを作っていく感じ。

ポイント1)火加減は、中火寄りの弱火で。

(気分によっては、ねぎ入りたまご焼き、にんじん入りたまご焼きなどにすることも。どちらも、料理好きの父親のアイデア。あ、料理好きの父親のことも、いつかここに書いてみよう)

大人になった今でも、出汁巻きのたまご焼きはよく作るのですが、この材料だけは殆ど変わっていません。これらに加えて、たまに砂糖や塩、水や日本酒を足すこともありますが、私の作る卵焼きの基盤は、たまご・白だし・焼く時のサラダ油の3つで成り立っています。これさえあれば、卵焼き器が無くても、小さめのフライパンで完璧に美味しい出汁巻きの卵焼きが出来上がります。まあ、大きめのフライパンでも出来ますけどもね。

そんなこんなで、レシピうんぬんは置いといて。
そう、そんなこんなで、私の卵焼き焼きスキルは、みるみるウチに上がっていきます。毎日とまではいきませんが、割と高頻度でお弁当(=卵焼き)作りに勤しんでいましたから。

しかし、今思うと、母親の卵焼きって、すごく貴重な食べ物だったなぁと感じます。私の作る卵焼きは、父親の作り方に大きく影響を受け、色味は眩しいほどに黄色くて、焼き加減や味付けにもこだわるほどに、(手前味噌ではありますが)正直どこに出しても恥ずかしくない卵焼きです。一方で、母親の作る卵焼きは、いつも少し焦げていて、白身と黄身が分離されていることも多々あり、母の大雑把な性格の出ている、大味な卵焼きでした。卵焼きを見れば、今日は誰が作ったお弁当なのか、一目瞭然でした。あのラインナップで、かつ卵焼きに焦げ目がついていれば、きっと母親が作ったに違いない。弁当箱を開けて、そう確信するのです。しかし、あの卵焼きは、料理を作るのが苦手な母親の、頑張りの証です。確実に、そうです。だから私は、お弁当のラインナップが同じであることに対して生意気にブツブツ言うこともあったけれど、帰って来た私に対して母が不安そうに「今日のお弁当、どうだった?」と聞いたら、「おかず、またおんなじやん」とブーブー文句垂れながらも、味については「美味しかった」と答える娘ではありました。事実、母の作るお弁当は、安定して当たり前に美味しかったのですから。


話は現在に戻ります。今朝、スーパーで安売りしてた卵を母と2人で買いに行き、その卵で「3つ卵を使って、卵焼き作って!」と母のわがまま。言われるがままに、娘の私は作りました。

そんな卵焼きを作り出したきっかけは、母親のお弁当であり、こうして卵焼きが得意料理になったのも、あの激少レパートリーでありながら、(レベルの高い合格点を超えはしないものの)オールウェイズ満足させてくれたあのお弁当のおかげなのです。もちろん、卵焼き自体を好きになったのも、そのおかげです。




今日のところは、こんなもので。


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