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水曜日、あなたとすれ違った。

いつも通っている道なんだから会っても不思議じゃないけど
時間が合わないから今まですれ違ったことなんてなかった。

少し距離があるところで、あなただって気づいた。
同じタイミングであなたも私に気づいた。と思う。一瞬、足が止まったから。
それから距離が縮まっていく僅かな間
1秒、1秒がスロー再生されてるみたいな、時間が伸びてる感じがした。
すれ違う時、顔を見れなかった。目が合うのが怖かった。
違う、目が合わないのが怖かった。
どんな顔してるのか確認する勇気がなくてずっとそっぽを向いてた。
あの時あなたはこっちを見てた?私と同じく他の方を見てた?

あれから何度か家を早く出てるけど同じことは起きない。
それでも水曜日が来れば、私はまた家を早く出てしまう。


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