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就活のときに諦めていた2つの条件 〜ベンチャーらしい働き方・社会へのインパクトの両立〜

前回書いた上記の記事に、ありがたくも

就活のときに諦めていた2つの条件と幸せに繋がる2つの要素をもっと詳しく聞きたいです。

というコメントをいただいたので、

就活のときに諦めていた2つの条件

について書いてみようと思う。

(『幸せに繋がる2つの要素』については、極めてパーソナルな話なので、一定抽象化するなど公開の方法を考えて、今後記載したい)



前回の記事にて、下記の文脈の中で割愛した2つの条件についてである。

すっかりインターンに熱中し、
・ビジネスマンとしての前に、人として尊敬できる人と働ける
・ITに近い場所にいたい
と感じ、このインターン先に入社したいと思うようになっていた。
また、構造的な理由で、自分が就活中に欲しかったがトレードオフだと諦めた、ある2つの条件が揃っていると感じた。
ただこれらも、あくまで「面白そう」という感覚への、後付の理由な気もしている。
特に、後述するが採用担当をやっていたので、入社理由/惹かれた理由を聞かれる機会が多かった。
内定を辞退した会社には本当に迷惑をおかけしたと思う。

2つの条件

結論、その2つの条件とは、

  • ベンチャーらしい働き方

  • 社会へのインパクト

である。


ベンチャーらしい働き方

ベンチャーらしい働き方とは、

  1. 成果と信頼による権限移譲(not 年功序列)

  2. 工程の全体が見れること(not 細分化)

  3. 経営層と近い距離で仕事ができること・会話ができること

などである。
もちろん、全てのベンチャーがこれを満たしているわけでもなく、また全ての大企業がこれを満たしてないわけでもないが、便宜上こう呼んでいる。


社会へのインパクト

社会へのインパクトとは、文字通りだが、自分/会社の仕事が生み出している付加価値の大きさである。
自身が力を注ぐからには、自分の仕事によって社会が良くなると感じられることも重要だと考えていた。


就活当時、大企業で単身赴任し疲れ切っている父の姿など見て、自ら働く場所/人を選べるよう、自身に属する能力を身につけたいと考えていた。
そのために、より成長できる環境をと、いわゆるベンチャーらしい働き方を求めていた。

一方で、国際協力等に興味があったのもあって、社会にポジティブなインパクトを与える仕事をしたいと思っていた。


実際に選考に進んだのは3社だったが、合同イベントやカジュアル面談でお会いした会社は、150社は超えていたと思う。

そんな時に引っかかっていたのが、ベンチャーらしい働き方社会へのインパクトの両立だった。


2016年当時の就活市場

ここから、2016年当時の就活市場を振り返ってみる。上記の両立に思考が至った背景にはなるが、お時間のない方は次の区切り線までスキップしてもらって良い。

特に力があったのがサイバーエージェントだった。
夏の短期インターンから各地方で優秀層を集め、その中でも特に優秀な学生を、全国規模で大々的にイケてる演出の動画で公表し、次ステージのインターンに参加してもらう。
自分は、夏のインターンには参加したものの、次ステージには選ばれなかった。ただ、全国的な公表発表の際には内心凄くワクワクしたし、選ばれた友人は実際にサイバーエージェントに入社した。
今思うと、夏インターン内のチームの割り振りなど含め、全てが採用への手段として考え抜かれていた。(この辺り、色々書けそうだが本筋から逸れるので割愛)

その他、Leverages、リンクアンドモチベーション、ビズリーチあたりが人気なベンチャー企業だったと思う。
(そう考えると人材系が多くて業界の偏りを感じる)

メルカリは、次の年からBoldのインターンを始めたぐらいで、まだ新卒に門戸が開かれている様子ではなかった。


両立への諦め

上記の他で、業界的に多かったのが、SEOコンサルから領域を広げたマーケティング支援の会社だった。

当時、SEOコンサルのベンチャーが就活で接する中では多かったし、SEOって、企業活動の必須機能ででイケてるよね、というようなブランディングを試みていたように思う。

ただ、自分がそこで働くと考えた時にどうしてもSEO(検索エンジン最適化)に魂を注げる自信がなかった。
クライアントのワードの検索順位を上げるために徹夜できるのか?出来たとして達成感があるのか?自分の仕事によって社会が良くなると感じられるのか?(=社会へのインパクト)と考えていた。
ここでたまたまSEOを例に挙げたが、同じように感じられる事業領域が複数あった。

(そもそも仕事のやり甲斐を自分で見出してセルフモチベートするのは大事な能力だと思っているし、SEOから派生してマーケ全体の支援ができると今では思っている。)


ただ、そういった会社が、組織風土としては魅力的なのもまた事実だった。
代表は、メガベンチャー等で最年少マネージャを経験して独立している。社員も30名ほどで、経営層と近い距離で裁量をもって幅広い仕事ができる。といった具合だった。(=ベンチャーらしい働き方


一方で、社会へのインパクトが大きい(自分の仕事によって社会が良くなると感じられる)会社を見てみると、どうしても、経営層とは遠く、仕事は細分化されていて、昇進にも時間がかかる。


当時自分は、
数ある観点の中で、この2つは特に優先していたが、この2つはトレードオフで、会社の規模が大きくなるにつれ、社会へのインパクトは大きくなる一方で、ベンチャーらしい働き方はできなくなっていくものだと諦めていた。


両立ができる環境との出会い

その後に出会い、2つの条件を両立できると感じたのが現職だった。

実際にインターンをするまでは、外からこの会社を見てそれを観測できなかったし、そもそも上記の2つの条件はトレードオフなのでと諦め、気にもかけていなかった。

この条件の両立を叶えているのが、グループ企業という構造だった。

当時、勤務先はグループ全体で1500人を抱え、to B企業ではあるが、自分も知っている企業を複数、クライアントとしてサービス提供を行なっていた。まだまだ社会へのインパクトはこれから大きくなるフェーズではあるが、事業領域が日本社会の課題にも根差していて、今後まだまだ伸びると感じられた。

その一方で、企業単位では30人しかおらず、代表とも週に複数回飲みに行ける距離である。人が足りてないがやりたいことは山ほどある現状で、インターンの自分にも有り余る裁量が与えられる。(もちろん、ステークホルダーへ迷惑をかけないようクオリティコントロールは、能動的な報連相に基づいて行われる。)

この構造的な要因によって、就活時代に諦めていた2つの条件の両立に巡り会ったのであった。

実際に、入社してからもこの環境のお陰で、モチベーション高く仕事ができているし、転職市場でも認められるスキルも身についている。(転職は当面しない)

考えてみると、例えば財閥系商社や不動産も似た構造である。新卒で入った社員が2~3年目で子会社に出向して、いきなりマネジメントを務める。数千人規模の本社にいては経験できない修羅場を経て、マネジメントの経験を積む。ゆくゆくは子会社の代表や本社の経営陣を務めるのである。

ビジョナリーカンパニー1両効きの経営でも語られていることだが、一見相反する2つの概念の獲得に、最重要なポイントがあるのだと思う。


以上、前回の記事を補足する形で2つ目の記事とした。今後も匿名にて書き記していきたい。

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