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彩ふ読書会大阪 2月18日(土)課題本 モモ ミヒャエル・エンデ

彩ふ(いろう)読書会大阪 2月18日(土)課題本 モモ ミヒャエル・エンデ
いつもはレポート形式で 速報版と詳細版だが、今回は雑感や覚書のカタチで まとめていない。
まとめるだけの文章力がないという自分ツッコミをしておく。

時折雨がぱらつく中、読書会へ。空がモノトーンになる天候が好きで じっくり撮ってみたい。
今回は 課題本「モモ ミヒャエル・エンデ」での交流会。9名の参加。初参加が4人だったかな。
本の紹介で苦労することなく 感想を言えるのである意味ラク。
でも「推し本」以上に感想が言えるし 仲間の意見は興味が尽きないので 濃い「知の贅沢時間」を楽しめる。

「モモ」は以前読んだが 忘れたという人が多いが、僕のように読書会に参加するために読んだという人もいた。
利用している読書メーターの登録者数が、22000を超える人気作品。僕のハマっている海外古典文学だと 500〜1000くらいなので 驚いたし すごく期待して読んだ。

一通り モモの印象を発表してもらい あとはフリートークの流れ。約90分間

モモ 子供が生まれたことで 自分の娘をイメージする親目線がある。
身なりが貧しいし 謎めいた出生と育ちがあり 最後にはモモの正体がわかると期待するが、解決されることなく なんか消化不良だ。
アドバイスせずにただ黙って 相手の話を聞くことは カウンセラー役に向いている。物語の後半に活躍するが なんかイメージしにくい。

カメのカシオペイア 僕も含めて好きだという人が多い。未来予知できるのは 未来は決定しているからか?ひょっとして マイスター・ホラを超える存在かも?

掃除夫のベッポじいさん そうじの仕方のこだわりがおもしろいし しゃべるのは 自分の考えがまとまってからという典型的な内向型人間。会社向きの人間でないし アーティストタイプかな?目の前ことに集中することの難しさは、日々感じているだけに 耳が痛い。

観光ガイドのジジ モモ、ベッポ、ジジの三人組に惹かれる。それぞれの個性で 助け合ういい関係は、うらやましい。
三人のお互いの足りない部分を補うという仲間意識がある。成功イコールお金という わかりやすい信条だが、すべてを手に入れるのは難しい。

時間貯蓄銀行の灰色の男たち このキャラが好きだという人が二人いた。フージーに契約を迫る時間の換算をやってみた結果を発表してくれた。

時間の花 どんな花を想像したかと言う問いに それぞれの花のイメージがわかりおもしろい。

とりとめのない まとめ
キャラクターの魅力
どのキャラクターが好きかで、その人の価値観がわかるように思う。灰色の男たちが好きな人は、仕事の生産性を重視しているし 自分を客観的に見ることや自尊心が高い。ジジだと成功したい、やりたいことがたくさんあるといった上昇志向が高い人かな。

時間について
読む人の年齢で感想が違いが出るのも面白い。僕も含めて高年齢の人は ふと我に返って自分の人生の意味を問い直したり 残りの時間の少なさに驚いたりする。若い頃は時間が経つのが早いと感じるだけで 残り時間は考えない。

「過去・現在・未来」というわかりやすい区分は、幻に過ぎないとは 相対性理論のアインシュタインの言葉。物理学では時間に方向性がなく 過去も未来もないらしい。映画や小説にある言葉「瞬間を大切に」は、真理だと思う。未来はないし 過去は頭の中だし忘れていく。現在しかないが、感覚としてつかみにくいので「今日」しかない。「今日」をていねいに生きることしかできない。

社会への批判
成功や生産性重視は、アメリカや1974年発表当時の西ドイツや日本への批判とも受け取れる。あの頃は日本の高度成長期にあり 深刻な公害問題があった。公害問題から環境問題に変わっただけで 社会構造は変わっていない。人間の欲は限りがないから 解決されることなく次世代につけを回す。

生産性や効率重視の仕事優先
10年ほど前に「ライフハック」という仕事の生産性を上げるノウハウのブームがあった。僕もiPhoneやiPadの新しいデバイスの活用方法など学びたかったから ライフハックの勉強会に参加していた。でも節約した時間をどう生かすかは、自分の課題になる。

児童文学を超えて
物語はめでたしめでたしで終わるが 僕の中では、めでたしめでたしで終わらない気づきと問いかけがある。
「昔は良かったが、今はもっと良い社会」という実感はあるが、「今も昔も人間は成長していない」というのも実感としてある。モモの魅力と問いかけは変わることがない。


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