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彩ふ読書会大阪 課題本 動物農場 ジョージ・オーウェル

久しぶりの課題本の参加。Bテーブル(男4名女3名年齢層やや高め)の進行役を担当。初参加の人がいると 読書会の魅力を伝えたい思いからテンションが上がる。読書会が終わったあとのフリータイムでも 誰も帰らず意見交換があり 楽しく充実した課題本の会だった。語りたいことはたくさんあるが 語り尽くせない本。

課題本 動物農場 ジョージ・オーウェル

動物農場とは
ある農場の豚や鶏、馬など家畜たちが人間の支配から立ち上がり 理想社会を作り上げていくが、腐敗や権力の闘争となり全体主義へとなるおとぎ話。ソビエト連邦の政治への痛烈な批判となる いわゆるディストピア小説の古典。戦時中のため多くの出版社に断られたあと 発表するが痛烈な批判が巻き起こる。

意見のまとめ

物語が進むにつれて嫌な気分、落ち込み読むのやめて他の本で気分転換したが、最後まで読み通せた魅力ある本。

ソビエト連邦への痛烈な批判だけで 解決策がないのが不満。他のオーウェル本も同じ傾向がある。

解決策がないということは いつの時代にも 国や組織の大小を問わない普遍性がある。

国の政治や会社などの組織あるいは個人の付き合いでも 権力の奪い合いなど似たようなことがたくさんある。

全体的に救いのない物語だが 一部他人へのおもいやりや親切があるので まだ救われる。

こうならないための行動はなにか?独裁者の暗殺、集団脱走、後継者の育成など
いずれも時間がかかったり 実現が困難というジレンマ。

文字が読めない(識字率が低い)ことは大きな課題。やっぱり教育の重要性が問われる。

政治の腐敗を防ぐには 投票に行くこと。投票しない人が多いので組織票だけで当選が決まる腹立たしい現実がある。

即効性のある解決策はないし 次のリーダーも似たりよったりなる可能性が高い。

独裁者と国民への宣伝(洗脳)活動はヒトラー政権の宣伝大臣ゲッベルスを彷彿させる。

北朝鮮、カンボジア、旧社会主義国家など 帝国主義や独裁国家は似たようなパターンになる。なぜ?

関連本「オーウェル 動物農場の政治学」の紹介

日本人に多い「同調圧力」疑問を抱かない、声を上げないなど共通点もある。アメリカでも「同調圧力」の本あり。国民を問わない人間の性質かも?

人類史をみると 権力を握る為政者の手のひらで踊っている一般大衆という構図に嫌気が差す。

政治に限らず物事を他人事ではなく 自分ごととしてやる姿勢が大切、行動しないと物事は変わらない。

会社組織で似たような事例が多く 自分の立ち位置はどうだったのか?

食肉加工工場へ連れて行かれる仲間を救おうとするエピソードは 子供の頃に号泣した思い出がある。

オーウェルは社会主義者だが、腐敗やソ連を丸ごと称賛する社会への怒りがある。

近代史(産業革命〜貧富の格差増大〜搾取〜資本主義の限界〜社会主義への理想)の文脈を知ることも大切

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早川書房(新訳版)、角川文庫、岩波文庫など多くの翻訳がある。絵本やアニメもあるらしい。



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