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新編 鳥島漂流記 小林 郁

吉村昭「漂流」の流れで読了。鳥島に漂着した難破船の多さや長期の漂流生活など驚くことが多い。さらに船を作り脱出したのは長平らだけではなかったことや あとに漂着した者たちへの物資やノウハウの伝達、生還後の顛末など興味深い。海難事故に遭った人たちへの温情な配慮や親切心は胸に迫る。大海のケシ粒にすぎない人間だが、環境への順応能力と生存への執念は、人間を尊いものにしている。著者の漂流者への優しい眼差しが感じられる本。

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