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片糸~貴方にしたためる葉書~

私と出逢ってくれてありがとう。
何度言い尽くしても足りない。

自分に甘えずひけらかさない
自分を律し全体をいつも視てる。

独りで生きていけるように
ぶれることのない慈しみを
私の中の葉脈に注ぐ。

真心という土で
自分の感情を抑えながら

私が根を張れるようにと
多すぎず少なすぎず
養分を分け与える。

ただ優しい眼差しで
私の成長をそっと・・・
待ち望んでくれた。

人の顔色が怖くて
溢してしまうことを
ビクビクしていた私に

溢したらフキンで
拭うことを教えてくれた。

きっと・・・
こういう営みを
大人の愛と言うのだろう。

仄かに偲ばせた慕情は
実ることのない片糸

万葉の花(愛)を摘むことなく
私は…大人になろう。

旅立った年月の先に
あの人に胸を張って
今幸せだよと
葉書をしたためられるように

私は…この無常に過ぎ去る恋を
決して無駄にはしない。

Sara

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