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夜間時事2021年2月24日

■日本経済新聞

SHEは、ANRIをリードインベスターとして、株式会社博報堂DYベンチャーズ、KDDI Open Innovation Fundから総額4億円の第三者割当増資及び金融機関からのデットファイナンス4千万を合わせ、総額4.4億円の資金調達を実施し、受講者と講師のマッチング自動化や商材のパーソナライズ化等、あらゆるコミュニティ体験の最適化などへの投資に充てる。注目は、ライフコーチングカンパニーへの進化を実現できるか否か、つまりコミュニティ運営の成否にある。個人的には、投資家との集合写真で全員が同じようなテイストの服装で、同社のブランドとは何かを一定に示していることだ。素直にかっこいい。

特許などの知的財産分析を企業の経営判断に生かす「IP(知財)ランドスケープ(特許などの知財情報を、研究開発やマーケティングなどの各種データも用いつつ経営に生かす手法)」の普及に向けた動きが日本で広がっている。ここでは体系化された知財の利活用について触れているが、さらに注目したいのは体系化されておらず,潜在化,全社にオープンになっていない情報をIPランドスケープへの取り組みの1要素に含めることができるのではないか?ということだ。情報過多の社会、企業にストックされる情報が意外にも少なく、フロー化した情報のほうが規模としては大きい。そうしたフローをストックし、さらには知財にする動きはあってもいいのかもしれない。

M&Aによる売上高・営業利益の上積みか既存事業の費用・収益構造見直しによる売上高・営利の底上げか、どちらが正解どちらが不正解はなく、あくまで中期経営計画が目指すゴールや必要な過程もちうる資源によって決定される。が、記事内にもあるように”M&Aだけに頼るなら「売上高1兆円、純利益率20%超」という超優良事業を財務レバレッジ2.1倍までの予算で買わなければならず、現実的でない”のは明白だ。既存事業の注目株「インフラサービス」は営利率9%と高いものの、ここを1本柱にするのにも不安は残る。ポイントは着実に全セグメントの営利率底上げを図ることではないだろうか?

■推薦図書

グレン・ハバ―ト他(2019)『なぜ大国は衰退するか』日本経済新聞出版

Push Point
①地中海の覇者ローマ帝国、明朝、東西の要衝オスマントルコ帝国、太陽の沈まない国スペイン、世界初の産業革命を成した大英帝国、本格的な国家間連合EU、極東の小国大日本帝国といった津々浦々の大国の栄枯盛衰を読み解いている。なぜあの大国は歴史から姿を消したのか?
②不均衡の是正に取り組まないことが文明崩壊を遠からず招き、経済の衰えは制度停滞によって生み出されるとし、アメリカや日本にもその可能性があると指摘している。
③単なる歴史書にとどまらず、現代政治における課題「財政健全化」「格差」「法制度の劣化」にも経済学を通して触れる書籍になっている。


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