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夜間時事2021年2月8日

土日休暇。再開月曜。

■推薦図書

大矢野 栄次(2017)『江戸のCFO 藩政改革に学ぶ経営再建のマネジメント』日本実業出版社

Push Point
①江戸とCFO,一見つながりのない単語から始まる江戸時代の藩政における財政健全化,経済貿易政策についてまとめている。
②守りの側面が強い財務部門から攻めの側面をいかに出していくか現代企業へ示唆を与えようとしている。
③藩政における”CFO”とは財務大臣,金融担当大臣,経産大臣など様々な側面があるために一概にCFOとは言い切れないため注意が必要です。

■日本経済新聞

 マックスバリュの親会社のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)は、発注やレジ業務を効率化し、生まれた余裕で人員を売り場に配置、顧客とのコミュニケーションの機会を増やそうとしている。お金を介し,一方的,レジ上でのコミュニケーションから商品を介し,双方向,売り場上でのコミュニケーションへ変化させようとしている。
 が、ポイントはコミュニケーションではなく、商品を選ぶ以外の無駄な時間(レジに並ぶ,見当たらない商品を探す)をゼロにしようと、その結果その時間をコミュニケーションに充てようとしていることにあるのではないか。21年2月期決算、営利率2.1%と3期ぶりの2%台回復が見込まれるものの、ROEは下降傾向であり、どうデジタル化で復調させるかが肝だ。

 純利益が前年同期比6.4倍の3兆551億円と、同期間として過去最高になった。投資先の企業価値が改善し、ファンド事業の投資利益は3兆7994億円(前年同期は1317億円)となった。
 AI革命に特化し金の卵の製造業(偶然投資利益が上がるのではなく、儲かる仕組みで投資利益をあげる意味での製造業)となり,ターボチャージ戦略(より大きなビジョン,より大きな資金,グループシナジーを出し合う)の下でリズミカルに投資をし、投資先200社の成長をさせていくSBG/SVF。直近はラテンアメリカへの投資に注目されたい。

 方針策定の中心となったアナリスト出身で最高戦略責任者の片山栄一とともに批判にこたえる解を模索した。たどり着いたのが不採算事業を「見える化」し撤退と攻めを明確に判断できる持ち株会社化だった。グループ幹部が議論を戦わせることから「G戦」と呼ばれるグループ戦略会議で、20年春から持ち株会社化を議題とした。「コロナで大変な時期にやることか」。担当事業を守りたい幹部間でも意見は割れた。業を煮やした津賀と片山は利害関係のない社外人材が約半分を占める取締役会に議論の場を移し退路を断ったと記事にある。
 ここでの疑問は、では何のためにG戦は存在するのか?というところだ。経営と執行と監督(意思決定と実行、有効性の検証評価)をどこまで明瞭化し、どこを不明瞭なままにして全員が当事者意識を持てるようにするか、管掌事業第一の意識からの離脱をどう促すかがポイントだ。

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