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にんじん残ってますけど

息子はご飯が大好きです。
なんでも自分のスプーンでパクパク食べて、親としてはむしろよく噛んでゆっくり食べて欲しいと思うほどに勢いよくご飯を食べてくれます。
大好きなテレビやYouTubeに集中している時でも、ご飯出来るよーと声をかければ視聴を中断して食事用の椅子によじ登るほど。
ご飯をなかなか食べてくれないと悩む人も多い中、なんとも親孝行な息子です。

しかし、それは以前までの話。
最近は好き嫌いが出てきてしまっているのです。
それはテンプレート中のテンプレート。
にんじんを避けるようになってしまいました。

おかずのお椀の中ににんじんが入っていれば、にんじんだけをキレイに残すのです。
大好きなひき肉やお魚と混ぜて出しても食べ終わった器をみればキレイな橙色が。
スプーンでそんなに上手に仕分けできるか?と思うほどにんじんのみが残るのです。

好き嫌いといっても、絶対食べない!きらい!
と言うほどのものではなく。
とりあえずコッチ食べてぇ、コレも食べて、おやにんじんさんが残ってしまっています。
まぁ今回は食べないでいいでしょう!
くらいの感覚なのです。

お父さんやお母さんが
「あれ?にんじんさんが残ってるよ?」
と言うと、しばらくスプーンでイジイジした後になんだかんだで食べますし。
食べさせてあげよ!とコチラが掬って口元に運べば拒否せず大人しく食べるのです。
スプーンいっぱいのにんじんを食べられるのですから、本当に大嫌いだったり拒否反応があるわけでは無いのです。

進んでは食べないよ?
くらいのもので。

ですが、コレまでなんでも食べていてお父さんやお母さんが台所に立つだけで「まんま!」と期待に胸を膨らませるほどご飯が好きな息子が、あまり好みじゃないから食べない姿勢を見せてきたことはそれなりに衝撃だったのです。

これまでは食べていたものを食べたくなくなるのは、やはり他の美味しいものや好みのものが増えてきたからなのでしょうか。
既存のものを美味しい美味しいと食べていたけれど、よく考えたらコレの方が好きだし気付いてみればあんまり好きじゃないかも?
みたいな感情が生まれているのかもしれません。

そうなってくると、息子の世界が広がる度に色々な部分の仕分けが始まるのかもしれません。
にんじんに対する関心も然り。
新しい娯楽に触れることによって、コレまで夢中になっていたはたらくクルマ達やアンパンマンもイマイチに仕分けられお役御免になる日がくるのでしょう。

色々なものに触れて自分の世界を広げて欲しいと願う一方で。
今の好きな感情も大切に育ってほしいな、と難しい事を願ってしまうのです。

器に残ったにんじんさんの姿に思いを馳せるのでした。

っていうお話。

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