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静かに…静かに…

仕事が忙しい忙しい、帰るのが遅くなる。
とは言いつつも何だかんだ息子の寝る前には家に帰る事ができていたのですが、昨日はその時間に間に合わないくらい遅くなってしました。

帰る時間が遅くなるのはわかっていたので、帰宅する時もなるべく静かに。
ちょうど寝室で寝つかせの途中かもしれません。
そこでお父さんの帰宅を息子が察知してしまうと「帰ってきた!」となってしまい目が覚めてしまう可能性がありますから。

そんな訳で静かに玄関ドアを開けて、静かにリビングへのトビラを開けるのです。
静かに静かに、と思いつつもトビラを開けた先に息子がいてくれる事を少しだけ期待しながら。

リビングに息子はいません。
もちろん息子がいた場合は玄関までバタバタとお出迎えをしてくれるのですから、来ていない時点でリビングにはいないのです。

もしかしたらお風呂かな?
と、淡い期待を抱きつつ洗面所を覗くのですがそこにもいません。
息子の声や水音もまったくしていたかったのでそりゃそうか、という感じなのですが。

お母さんとねんねの最中か、と。
少しだけ残念に思いつつそこからは息子に気取られないように静かに暮らすのです。
手洗いうがいをする時も水量を抑えめにして、お風呂に入る時も音が響きやすいですから。
なるべくシャワーを浴びるのも低めの位置で。
高い位置からかけ流すと結構なボリュームになるので。

そうしていつも見ている浴室のテレビも電源を入れずに静かにお風呂で過ごすのです。
お風呂を出た後もトビラの開閉は両手を添えて静かに。
息子の晩ごはんの食器の洗い物も水量抑えのカチャカチャ音に気を使う生活。

息子が寝つこうとしているときは一日の仕事を終えて、やっと家に帰ってきてからも気を張った生活。
こんな暮らしをする為に頑張っている訳ではないのに…と洗い物をしながら少し悲しくなってみたり。

その後に洗濯物を畳んでいると寝室からお母さんが出てきて、息子が寝たことを確認しまして。
ようやく通常の生活に戻るのです。
帰宅後に息子の出迎えの無い生活がこんなにも寂しいものだとは。

お母さん的にはお父さんとの接触が無い日は素直に歯磨きをしたり寝室に向かったりするので大変楽ちんらしいのです。
どうしてもお父さんが帰ってくると
「もっと一緒に遊びたい!」
となるらしいので。

普段に比べて比較的早く息子が寝てくれて早めにリビングに降りてきたお母さんの話を聞いて、息子に会いたい欲が爆発してみたり。

ここまで色々と寂しい、何の為に…
なんて言っていましたがお父さんが寝る時に息子の寝顔を一目見て、明日も頑張ろうと。
数秒息子の寝顔を見るだけでそんな気持ちになれるのですから、お父さんは安い男です。

それはそれとしてマジで寝顔しか見られないのは残念なので、可能な限り早く帰ってやろうと決意するのでした。

っていうお話。

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