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全てを許せない息子


っていう時があります。
基本的には眠たくて仕方ない時なのですが、たまに全く理由のわからない時があります。
先日が正にその時で、お父さんの帰宅後からずっとご機嫌が悪いのです。
なぜなのか全く理由がわからないのです。

いつもは一生懸命お出迎えしてくれるのですが、全く来る気配がありません。
さらに、玄関トビラの先から聞こえてくるのは怒った様な息子の声。
YouTube的な何かの音声だけが聞こえてくるのです。

どれどれ?
トビラを開けてみるとお母さんの胸の上でふてくされた様に顔が赤くなっている息子。
お母さんの第一声は
「もう分かりません」とのこと。

飲み物を渡してみても、おやつを出してみても。
晩ご飯の時もイヤイヤしてスプーンを放り投げますし、ちょっと目を離すと泣き出すのです。
どこか具合が悪いのか?
とも思うのですが怒るエネルギーはバッチリあるようで。
元気か元気じゃないかと言えば確実に元気。

何をやっても不機嫌な息子はお風呂にも入りたくないのです。
いつもならお父さんかお母さんがお風呂から呼び出すとダッシュで洗面所に向かい、服を脱ぐ気配を見せつけてくるのです。
ですが、全てを許せない日の息子は洗面所に向かう事すらしません。

それどころか抱き上げて連れて行こうとすると全力での抵抗。
服を脱がす事すら難しく、何とかお風呂場に放り込みお母さんにバトンタッチをしても泣き声しか聞こえてこないのです。
参ったなコレは。
と、次の作戦は何とか早寝させるしかない。
コレしか無いので、散らばったおもちゃのお片付けを息子のお風呂中にこなしておきます。

気づけばお風呂場からの泣き声は聞こえて来なくなっていて。
お母さんが上手くやってくれたのか、と。
一安心。
したのも束の間で。
今度からはお風呂から出たく無い!!
体を拭くことすら許せない息子。
オムツを履くことすら許せない息子。
肌着も寝巻きも着ることを許せない息子。

結果生まれたのは。
全裸で大泣きしながら走り続ける息子。
めちゃくちゃですやん、こんなの。
そんな風に思いながらも大人の力で拘束してお風呂上がりの何某を済ませるのです。

ですが、ずっと全てを許せない息子ですので。
もちろん歯磨きだって許せないのです。
まず口を開かない訳です。
何とか口を開かせても大暴れで大泣き。
やっぱり大人の力で成し遂げます。

息子の気持ちを無視して力づく。
これが何とも申し訳ないのですが。
それでも必要な事はやらなければなりません。
ごめんね、ごめんね。
と心の中で謝りながら。

とは言うものの何がそんなに気に入らないのか、わからなさ過ぎて笑ってしまうのです。
そんな息子もとうとうお休みの時間。
大泣きしながら寝室へ連れて行かれるのです。

そんな全てが許せない日だってあるよね、と。
息子も少しずつ色々な事に心を揺さぶられているんだろうな、と。
大泣き声をBGMに考えるのです。

それでもやっぱりご機嫌で問題なく過ごしてくれるとお父さんは楽でいいなぁ。

っていうお話。

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