夢見る小学校 完結編を見た感想②

この記事は前回の続きになります。先に上記の「夢見る小学校 完結編を見て感じたこと①」をご覧ください。

 夢見る小学校では「きのくに子どもの村学園」を舞台に取り上げられたが、夢のある舞台はそこだけなのか?具体的には何ができるのか?について掘り下げていく。


紹介されていた取り組み

 夢見る小学校ではほかにも「伊那市立伊那小学校」「松山市立余土小学校」「世田谷区立桜ケ丘中学校」の3校の公立小中学校が紹介されていて、私立の学校だけでなく、公立の学校でも、自由な教育、柔軟な対応は可能だ。これは

校長は学校運営上の一切の仕事を自己の責任において処理する

学校教育法 第37乗

 に書かれている通り、校長の権限において、運営の進め方を決めることができるからだ。
 「伊那小学校」では65年間通知表なし、体験学習を行っている。この学校ではヤギの飼育を通した体験型の学習に力を入れていて、通知表によるランク付けではなく、一人一人が尊重されてひとりひとりにできるようになったこと、ポジティブな変化や生活の記録を保護者に伝えている。
 このほかにも宿題を大幅に減らし、通知表を全員ではなく、希望する人のみの選択制にした学校や「校則ゼロ」の学校が紹介されている。
 このように公立の学校であっても十分に柔軟に対応できるそうだ。不登校の児童・生徒が増える社会では、ルールに縛られない、カリキュラム重視の教育ではなく、ゆとりがあり、自由な学校環境が今後増えていくだろう。

私たちが子供のためにできることは何か?

 とはいっても引っ越したり、その場だけでは思いも広まらないし、子供の未来のためにならず、簡単にできることではない。また保護者団体で学校側に意見書を出しても通るとは限らないし、学校や教育委員会に陳情書を出したとしても受理されない可能性があり、これらは学校側の対応にかかるため、一個人が立ち上がったところでほぼ意味がないだろう。
 では私たちはあきらめるしかないのか?

 そもそも教育は学校が行うだけではないはずで、家庭での役割も非常に重要であり、家庭教育も子供をキラキラ輝かせるヒントはたくさんある。
 例えば、家庭内では料理を一緒に作ったり、掃除を一緒にしたり任せたり、本を読みながら一緒に考えていく。もしくはテレビを見ながら、物事の背景や仕組みなどを教えていく。
 より具体的には、天気予報であれば「降水確率の求め方」や天気の移り変わりの仕組み、気温の変化などを伝え、どのようになっているかを一緒に考えていく。
 家庭外ではボランティアや科学館・博物館に行き、体験を通じて学ぶ機会を増やす。近くに貸農園があれば農園で作業をする。もしくは近所の人からこの地域の昔話、地域の伝統の話を聞いたり、もしくは市町村や公民館などで行っているイベントに参加したり、さまざま”触れる”機会を増やすことだ。教科書を読むだけ・問題を解くだけではなく、5感を通じた体験が記憶に残り、そこから考えたことは未来につながっていくので、家庭での教育であっても柔軟な学びをすることができる。
 5感を通じた体験、実体験を通して学んだ事・考えたことは必ず将来に役立つ”生きた学習”になるため、記憶に残るだけでなく、そこから応用してより柔軟な思考ができるようになる。

教育で一番大切なこと

 子供たちはそもそも自分たちだけで問題を解決する能力を持っている。また高い独創性、好奇心・学ぶ力を持っている。遊びの中にも十分に学ぶ要素がある。物を工作するときも材料をそろえたり、予算内で買ったり、長さや形を考えたり、色を考えたりとさまざま学習の要素がある。
 なので周りの大人は、子供を温かく見守ることに専念し、責任は大人がとる覚悟で、あとは子供たちの自主性を尊重し、本当に困ったときだけサポートに入る。
 また失敗する自由をしっかり守ることも大切で、失敗は効率の視点で考えると望ましくないが、失敗があるからこそ創意工夫ができるし、必ず次につながるヒントが見えてくる。だからこそ失敗した時こそが大きな学びのチャンスなのだ。
 そのために大人ができるのは危険がないように禁止したり、教えたりするのではなく、近くで見守ること。そして子供たちだけでは解決できない問題のときにサポートする。このような温かく見守る姿勢こそが、子供たちの自主性を高め、安心感をもって日々の生活を送ることができる。
 子供を尊重して見守ることは、それだけ子供を信用しているからこそです。信頼された子供は、さらなる可能性を求めて、はじめて次のステージに安心して、かつ自由でのびのびと、楽しく、わくわくしながらステップアップすることができます。
 学校だけでなく、家庭内での学習の変化で、子供たちが毎日楽しそうに、のびのびと生活できることを心より願っています。

これが本来の教育の姿だ!

 家庭での教育は一人一人の変化が大切です。まずはこの映画で、「ほんとうに子供たちを大切にした教育は何なのか?」「どのようにしたらキラキラ目を輝かせながら、学習意欲高く学ぶことができるのか」を知ってください。ここにはそれらを解決できるヒントが詰まっています。映画を見て、新しい教育の在り方を考えてみてください。


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