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満月の夕方

1月25日のことである。
友人とマクドナルドを出たら、夕闇だった。見上げると東の空に大きな月が出ていた。
友人が「あの方向に出ているということは、満月だな」と言う。

確かにまん丸の月だ。
「すると今日は十五夜か。旧暦の正月は、15日先の2月10日頃かね」と答える。
立春を随分と過ぎて、正月なのか?家に帰ってから旧暦の暦で確かめてみたら、2月10日が旧暦元旦だった。なお、1月25日は旧暦15日で、満月は翌日16日だった。

よく時代劇では、元旦の風景に梅花が映り込んでいる。確かに2月10日になれば、梅の花は咲いている。正月は初春だと、あらためて実感が湧いてくる。

私は旧暦が好きだ。旧暦に親しまないと、古典文学はつまらなくなると思っている。

今年の旧暦2月の満月は16日だが、新暦では、3月25日である。桜が咲く頃だ。西行の和歌「願わくは 花の下にて 春死なん その如月の望月のころ」を思い出す。如月(2月)は、今の3月から4月だから、旧暦に親しむとこの和歌も実感を持って味わうことができる。日本の伝統文化から旧暦は切り離すことができないものだと思う。


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