しんけちゃん

普通の生活をする定年退職者です。 生活の中で感じたことをテーマに、短いブログ毎日一本…

しんけちゃん

普通の生活をする定年退職者です。 生活の中で感じたことをテーマに、短いブログ毎日一本が目標です。

マガジン

  • 船旅 地球をまわる

    一度だけの世界一周の船旅の思い出を綴っています。

  • 食べ物日記

    折にふれて感じた食べ物のことや思い出を綴っています

  • 旅と私

    旅から学んだいろいろなことを綴ってます

  • 母の短歌

    母が生前に作った短歌をまとめたものです。

  • 先祖の話 父母と祖父母の時代

最近の記事

  • 固定された記事

「運転手がいない」という幼児の言葉

東京の湾岸を走るモノレールの「ゆりかもめ」は自動運転なので運転手はいない。先頭車両の先頭席は、運転席のような気分が味わえる。子連れの親子には人気がある席だ。 電車の好きな孫のY君(4歳児)が先頭車両の先頭に立ったときに「運転手いない」と言った。自動運転だから運転手はいないんだよと教えてあげたが、幼児のY君が運転手がいないことに気づくとは。 無いものが無いと分かるには、有る物を知らなければならない。有は、見れば有だと分かるが、無は見ただけでは何が無かは分からない。無であるこ

    • 春に咲く白菊の綿毛

      道端の白い菊のいくつかが花の盛を過ぎて、綿ぼうしをつけいていた。 この間、たんぽぽの綿毛を子どもがフーと吹いいた。綿毛は風に乗ってふわふわと飛んでいく。よい季節になった。いい気分だ。 今日の白菊の綿毛も風が吹けば、ふわふわと飛んで行くのだろうな。私は、手で綿ぼうしをたたいてみた。意外だった。パラパラと落ちていったものがあるが、大部分は下の地面に落ちて行った。風がない日に綿ぼうしをたたいてはいけないのだ。 悪いことをしたなと思った。人間の手の不必要な力が、菊の運命を変えて

      • 歳をとって読んだ源氏物語4  女性論

        源氏物語を読み出して止まってしまった。帚木の巻のいわゆる雨夜の品定めが、なかなか煩雑で、古典の素人には難路が続いた。しかし、ここを読まないと次の巻に進まないようだ。ゆっくりと読んでみた。 1 階級と女性 まず、頭中将の女性の階級分類から始まる。 ①上品(じょうほん)の女性は、大事に育てられ、表に出ないので神々しく見える。要するに真の姿が分からないと言っている。 ②中品の女性は、それぞれ自分を持っているように見えて、こういう人だと分かる点が多く、要するに個性的だと言っている

        • マダガスカルの運転手さん

          旅の思い出には、楽しい思い出と嫌な思い出の他に切ない、はかない、申しわけないという類の思い出がある。この第3の思い出として、船旅で寄ったマダガスカルのタクシー運転手さんに申し訳なかったという思い出がある。 マダガスカルのトアマシナのタマタブ港に着いた。船からは、なだらかな山々を背景にヤシの木々、インド風の家並み、キリスト教会が見えた。 一泊二日の寄港だったので、初日は、夫婦でイヴルイナ動物園に行くことにした。船内で20ドルを42,000アリアリに交換した。マダガスカルの通

        • 固定された記事

        「運転手がいない」という幼児の言葉

        マガジン

        • 船旅 地球をまわる
          26本
        • 食べ物日記
          38本
        • 旅と私
          34本
        • 母の短歌
          23本
        • 先祖の話 父母と祖父母の時代
          37本
        • 万葉集と私
          19本

        記事

          歳をとって読んだ源氏物語3  光源氏の性格

          「光源氏、名のみことことしう、言ひ消たれたまふ咎多くなるに、いとど、かかるすきごとどもを」と高校の友人が口ずさんだことがあった。それを聞いて、意味をよく理解しないながらも、光源氏の好色家のイメージを抱いてしまった。 高齢者の仲間入りをして、ゆっくりと原文(帚木)を読んでみた。今では使われていない言葉が多く、古語に習熟していない自分には、読むのに時間がかかる。それでも、正確な解釈ではないかも知れないが、概ね意味は通じる。かくして自分の中に次のような光源氏像が得られた。 わが

          歳をとって読んだ源氏物語3  光源氏の性格

          子鹿物語

          講談社の絵本で『子鹿物語』というのが、実家の本棚にあるはずなので、探して持って帰った。題名は、『講談社の絵本 子じか物語』(©1956)だった。 小学校に上る前に父親が買ってくれたが、絵が美しかった。カタカナに不慣れな私は、主人公のジョディを読めず、また、ジョディという初めて耳にする名前が言いづらかったので、父親がひらがなをふってくれた。今開いて見てみるとたしかにひらがなが書かれていた。保存や記録への感動というのはこういうものなのだろう。 『子鹿物語』の原題は『イヤリング

          雨上がりの日の傘の忘れ物

          雨が止むと傘の忘れ物が多い。 西船橋から東西線に乗った。三鷹行の各駅電車に乗車する時、ドアの下に折りたたみ傘が落ちている。どうやら今降りた乗客の誰かが落としたようである。 西船橋駅は東西線の終着駅(東葉高速鉄道と乗り入れするようになってからは東葉勝田台駅行もある)なので、乗客は皆降りる。その日は、雨だったが、午後から止んで曇り空になった。そんな日は、傘を持参していることを忘れてしまう。折りたたみ傘を畳んで、リュックのポケットに指したが、リュックを背負う時に落ちたことも考えら

          雨上がりの日の傘の忘れ物

          カツ丼のカツは丸が良い

          「友だちにカツ丼のカツは、丸いよね」と言ったら、意外なことを言うという顔で、ただ笑っていた。何度か食べた経験から達した結論なのだが、そうだねという反応がないと一般的な話ではないのかと不安になる。また今度、カツ丼を注文して、丸いことを確認しようと思った。 今日、蕎麦屋でカツ丼そばセットを注文した。出てきたカツ丼を見たら、カツが見事に丸かった。しかもどんぶりの中にぴったりと収まっている。やはりカツ丼のカツは丸が正解だ。楕円形では、丸いどんぶりからはみ出してしまう。小さい楕円形で

          カツ丼のカツは丸が良い

          ふるさと考

          東京の片隅で育ち、今も東京の端に住んでいるから、ふるさとがない。かつて、夏休みに帰郷する人の話を聞いて、うらやましい気持ちになった。「ふるさとがあっていいですね」と言うと、「お金がかかるから大変だよ」とのこと。電車賃やお土産代等で出費が多くて大変だと聞いたら、憧れの対象だったふるさとが急に現実的な存在に変わった。夢のようにはいかないのが現実ということだ。それでもふるさとがないという淋しい気持ちは変わらなかった。 自分にとってふるさととは何だろう。 辞書を見れば、ふるさとは、

          楽しい時間は長いだろうか、短いだろうか

          もう4月中旬だ。この間まで、桜に浮かれていたと思ったら、今日などは夏のように暑い。月日が経つのが早いなと思う。 「働いていた時は、毎日が忙しいせいか、時間が経つのが遅かったな」 と言ったら、家内がすぐに反応してきて 「反対よ、毎日忙しいから、あっという間に時間は過ぎていくの。退職して毎日時間がある人は、時間が過ぎるのが遅いのよ」 と反対のことを言う。 ありゃ、どっちが本当なのだろうと頭をかかえてしまった。 この難問を解くために、しばらく無い知恵をしぼった。 先ずは、生

          楽しい時間は長いだろうか、短いだろうか

          日本橋の景観

          月に何度か日本橋を渡る。頭上には高速道路が走っている。東京に高速道路が造られのは、前の東京オリンピックの時だった。高速道路網は、新幹線と並んで経済成長する日本を象徴していた。オリンピック開催国にふさわしい近代化された国を海外からの旅行者に見せたいという当時のリーダーたちの意気込みを感じる。この前の東京オリンピックより、1964年の方が問題がなく、国民全員が燃えていたという記憶がある。 急いでいたのだろう。高速道路は、河川を利用して、その上に建設された。隅田川から堅川の上に、

          日本橋の景観

          名鉄電車の男

          ずいぶんと昔のことになるが、豊橋駅で名鉄に乗り換えて、西尾に行くことがあった。通路側に座り、西尾へはどこで乗り換えればよいかと時刻表の小さな文字を眺めていると、ひとりの男性の気配がした。男性は私の方を見て、突然に百円をくれと言った。男の服装は、着古して汚れていた。男の手には切符が握られていたので、乗越のお金が足りないのかと思われた。 「お金はないよ」とそっけなく答えて男の顔を見ると淋しそうに見えた。私は、男に西尾に行くにはどこで乗り換えればいいかと聞いた。男は知立だと言う。

          歳をとって読んだ源氏物語2 桐壺の巻 北の方の悩み

          「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」と言うのはハムレット。Aか?Bか?そんな心の葛藤を扱った場面が桐壺の巻にある。 桐壺の更衣の母親北の方は、娘が亡くなってからは、孫の源氏と暮らしていた。一方帝も源氏のことを気にかけていて、宮中に呼んで、源氏をそばに置いておきたいと考えている。 帝から宮中に招く使者が北の方のもとに来るが、ホイホイ喜んで行くことなどしないのが、紫式部の源氏物語のすごいところだと思う。 北の方は悩む。 肉親に死に別れる不幸に何度もあった未亡人が孫に付

          歳をとって読んだ源氏物語2 桐壺の巻 北の方の悩み

          歳をとって読んだ源氏物語1  嫉妬された桐壺更衣

          人間というのは、自分より下にある者が恵まれると嫉妬したり、いじめをしたりするようだ。軽く見ていた人が優れた成績を残すと、良い気持ちがしない。上の者が恵まれるのは、自分より階級が上なのだから仕方がないと思い、嫉妬心が起きない。 最近、たどたどしく読んだ源氏物語の桐壺更衣の話である。やんごとなき身分ではないが、すぐれて帝の寵愛を受けている桐壺更衣に対する弘徽殿女御の嫉妬心と更衣へのいじめがすさまじく書かれている。 更衣は、それほど高貴な身分でないとはいえ、父親は元大納言だから

          歳をとって読んだ源氏物語1  嫉妬された桐壺更衣

          侵入者たちの結婚 古事記

          古事記に久しぶりに目を通したが、日本の統一の過程での大王たちの関心は、戦争の後の平和な統治にあったようだ。 征服者が征服した被支配者に対するやり方には、 ①支配者の神を被支配者に押しつけて、被支配者の神を抹殺する方法。 ②支配者は、被支配者の神を受け入れる方法。 がある。 古事記を開けば、大王たちは、一貫して、②のやり方を採用してきたようだ。遠くからやって来た征服者は、土地の首長の娘と婚姻し、被支配者の信じている神を祀ることで、平和な統治を実現しようとしたと思える話が多い

          侵入者たちの結婚 古事記

          ビーフは支配者の話すフランス語から

          英語で牛肉をビーフ、豚肉をポーク、羊肉をマトンと言う。牛はカウやオックス、豚はピッグ、羊はシープなのに、肉の名は違う。 日本でも、馬肉をサクラ、イノシシ肉をボタン、鹿肉をモミジ、鶏肉をカシワと言うようなものだと思っていたが、調べれば、その起源は、ノルマン・コンクエストに遡るようだ。 1066年、ノルマンディー公国のウィリアム征服王がイングランド国王を破り、イングランドを支配した。このノルマン王朝の支配者たちは、フランス語を話したので、数々のフランス語の言葉が英語に入りこんで

          ビーフは支配者の話すフランス語から