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10円を見つけたら

先を歩いている青年から小銭が落ちた音がした。見てみると歩道に10円が落ちていた。
拾って、あの青年に声をかけたが、聞こえないようだ。早足で青年に追いつき、「お金を落としましたよ」と言うと意外なことに「僕のではありません。さっき足にあたったようで・・・」と言う。お金が落ちてるのに気づいてたのかと少し興ざめだ。

小銭が落ちているのを見つけたらどうするべきか。選択肢は3つしかない。
①拾わないで、そのままにする。
②拾って、自分の物にする。
③拾って、交番に届ける。

①は、拾うと以下のように面倒なことになるので、拾わないでそのままにするのを勧める意見もあり、一理ある。短所は、死に銭になることだ。拾えば、世に出て人のために使われる生きた金になる。

②は、少額ならば、交番に届けないで、自分のものにしてもよいと聞いたことがあるが、法的根拠があるのか疑わしい。やはり、着服になるのだろう。少額を届ける手間や警察側の事務負担は、落とした金以上に費用がかかっている。さらに落とした人が現れる可能性は極めて低い。気づかないで落とすのだから、場所時間は本人もわからないだろう。そもそも落としたことにも気がついていないのではないか。最終的には歳入になるのだろう。人情としては、理解できる考えなのだが、拾得物は届けでる義務がある以上は、着服はだめだろう。

③結局は、交番に届けるしかない。警官は、慣れたもので、拾得した月日・時間・場所を聞いてきて、大きな地図を出して来て場所を確かめる。口で言うのは、結構時間がかかるから、拾得した月日・時間・場所を紙にメモして渡した。さらに拾得物の権利放棄も付記した。かくして届け出は簡単に終了。10円が国民のために役立つことを祈る。

何度も小銭を拾得し、交番に届け出た経験からつくづくと思うのだが、小銭拾得処理の上手い行政システムはないものか。落ちているのをみて見ぬふりふりをするのも、届け出の手間がかかるからだ。簡単に処理できるシステムがほしい。公的機関に拾得物用の小銭箱でも設けてもらえないか。チャリン。








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