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管弦楽を聴きながら

今日はメンデルスゾーンとベートーヴェンを聴いた。管弦楽を聴きながら、このきれいな音がどこから生まれたのかと思った。

和音は、音の周波数が重なり合い、協和音となるとき快い。リズムは、一定のスピードで刻まれることが快い。メロディーは・・・音の高さと長さの量の変化に快さをもたらす何かしらの原理があるような気がしている。

宇宙が生まれたときに音楽の設計図があったとは思えない。分子が生まれ、元素が生まれ、生命が誕生したときに、快と不快の区別があったかどうかわからないが、進化の段階のどこかで生死への関わりに対応して快不快の区別が生まれたのだろう。様々な場面で快と苦を選別しながら、文明が発達した。音楽もその中のひとつなのだと思う。

快なる音は、安全なものから発せられる音、せせらぎの音、虫の音、鳥のさえずり等。不快な音は、危険なものから発せられる音、猛獣の雄叫び、嵐の音、岩が崩れる音等。進化の過程で、その違いを記憶し、快なる音から音楽は創造されたのだろう。だから、音楽は人をリラックスさせる。

音楽が好きなのは人間だけではないようだ。牛にモーツァルトを聴かせると乳の出がよくなるというが、更に知能が高い霊長類ではどうだろうか。音楽に快楽を感じることは、動物一般にあると考えたい。ただしコブラが笛の音で踊るのは、コブラ使いの体の動きに反応しているらしい。虫の音や鳥のさえずりと音楽の音色には相通ずるものがあるので、虫や鳥が誕生した、太古の昔から音楽的な要素は、この世に備わっていたと言える。音楽を聴いたときの快い感覚は、人間だけの能力ではないだろう。

混沌とした宇宙のはじまりから、快い音と不快な音は、分化をし続けてきて、人類誕生以前にすでに自然界に快い音は存在していた。音楽は、人間の創造物以前に自然の創造物であったと言えるのではないだろうか。


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