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PYGMA(ピグマ) ~Violet Eyes~

矢が一人目の膝を貫く。二人目が振り返った時にはもう私の二発目が発射されていた。右肩を射抜かれ、銃を取り落とす。

物陰から飛び出すと、素早く警備員二人の頭を蹴った。振り返って声をかける。
「いいぞ。さっさと来い」

気を失った看守を踏みつけ、紫色の目の少女も着いてきた。相変わらずボンヤリしていて、こいつがいないと秘宝の在処がわからないなんて嘘に思えてくる。

ここから発着場まで行き、ピグマと落ち合って、船を盗めばこの惑星ともおさらばだ。惑星全体が刑務所なんて何度考えてもどうかしている。ピザが食べたい。
「そこ」

「は?」
少女が指差した方に目をやった瞬間、それが起爆剤になったかのように施設の壁が弾けた。爆炎の中から見知った黒髪が転がり出てくる。
「あ、どうもアレーナさん」
ピグマだった。

ピグマが爆炎の方に手を翳すと、皮膚を突き破って、鎖のついた刃が飛び出す。襲いかかる刃を跳ね除け、燃え盛る婦警が飛び出してくる。

【続く】

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