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旅で良い写真を撮ろう!で、良い写真てなに。

時々、どうやったら良い写真が撮れますか?という、質問を受けることがあります。これはとっても難しい質問です。

良い写真を撮る方法が難しいのではなく、「良い写真」という定義が難しいのです。結論から言うと、芸術とは何か、という問題に直結しています。

良い写真には主に2種類あります。
ひとつは商業写真。つまりプロの写真家が、より多くの人に「うける」ために撮影する写真です。「うけない」とスポンサーや買い手はつきませんから、とにかく「うけ」を最優先させて、奇をてらわず、徹底的にセオリーに沿って撮影する写真です。多くの人から確実な支持を得る写真は、間違いなく「良い写真」です。

もうひとつは、写真を芸術と捉えて、とにかく自由に、自分の望むままに撮影する写真です。
「何かすげえの撮れた」「わーい、誰かに見て欲しい」「オレの世界を見てくれ!」
そんな写真です。ただし自分が感動したからといって、多くの人から必ずしも褒めてもらえるわけではありません。
ケチョンケチョンに批判されてしょんぼり、なんてことも多々あるでしょう。

私自身は、後者の自由いっぱいな写真が大好きです。
セオリーとか構図がどうとか、正直言ってどうでもよいです。すごく良いのが撮れた!と自分自身が思えた瞬間の写真こそが、世界で唯一自分にしか撮れない自分だけの傑作だと思っています。
他の人から写真を見て欲しいと言われた場合であっても、「構図をこうしたほうが」とか「もうちょっと寄って」とか、そんなバカげたアドバイスは一切しません。
だって撮影した人が、「すごくいいの撮れた」と感じて写真を見せてくれているのだから、その人の世界観を楽しむことが大切であって、上から目線であーだこーだアドバイスするなんてバカバカしいことです。

随分と昔の話ですが、芸術に対する考え方を初めて教えていただいたのは、中学校の美術部顧問の先生でした。
アメリカで料理人をしていたという異色の経歴を持つ先生でしたが、私の絵を見ても一切批判もアドバイスもなく、ただ絵を見た感想をとても丁寧に伝えていただきました。
私はこの時、「あー芸術ってすごいんだなぁ」と感動したことを覚えています。

「良い写真」を撮る上で、もしもひとつだけアドバイスするとしたら、写真はその瞬間を撮るものだということです。
当たり前ですよね。でもこれが大事。
その時、その場所にいて、まさにその瞬間にシャッターを切る、ことが大事なのです。その努力をしないと、永遠に写真は撮れないのです。
「前に進むには、前に進むことこそが大切」なのです。

昨日よりは今日、今日よりは明日、ちょっとずつでいいから前に進む、実際に前に進まなくても気持ちだけでも前に進む、そうするとまた明日がやってくる。難しいことを考える必要なんてありません。

みなさんも、もっともっと自由に写真を撮って、自分の世界を楽しみましょう。
そう、そして楽しい旅に出ましょう。

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