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カメラの中の宇宙

旅と写真がテーマで書いているのに、去年のnoteを読み返してみるとほぼ全ての内容が写真でした。

今年はもっと旅について書いていこうと反省し、強く決意した次第です。
あけましておめでとうございます、しんはくです。

さて今日はカメラの絞りについて、知られざる謎のお話です。
え?旅の話?
それはまた今度ってことで。

カメラには絞りという機構が備わっています。
よくカメラ雑誌の撮影時の設定に、F4とかF8とか書いてあるやつですね。
「絞り」とは文字通り、通過する光を指定した量に絞る装置です。

ややこしい数学の話は無しにして簡単に説明すると、数値が小さいほど絞りは大きく開いた状態でたくさんの光を通過させます。数値が大きいほど絞りを小さく絞って少量の光を通過させる役目を持っています。
なぜこんな装置があるかと言うと、写真を撮るには適した量の光が必要で、その光を集める装置がレンズであり、適した量に調節するのが「絞り」と「シャッター」なのです。

絞りを絞ると、被写界深度が深くなり近景から遠景までシャープになります。
しかし絞ることによって通過する光の量が減るため、シャッター速度を遅くして長い時間光を集める必要があります。
反対に絞りを開くと、被写界深度が浅くなりピントの前後が綺麗にボケてきます。開くことによって通過する光の量は増えるため、シャッター速度を速くすることができます。

絞りを絞って近景から遠景までをシャープに写すことを「パンフォーカスで撮影する」と言い、風景撮影ではしばしばパンフォーカスで撮影されますが、実は大きな欠点がひとつあります。
それは絞りを絞り過ぎると「小絞りボケ」と言って、画面全体がぼんやりと滲んでしまうのです。
だいたいF11あたりから発生し始め、F16あたりではかなり顕著に、そしてF22ではハッキリと影響が現れます。
何十万もするような高価なカメラとレンズを用意しても、結果的に画質が落ちてしまうのであればあまり意味がないですよね。

さてこの画質劣化を引き起こす「小絞りボケ」って、いったいなに。


光とは波の性質を持っていることがわかっています。
光がカメラの絞りを通過するときに、絞りにまとわりつくように光の進路は曲げられてしまうのです。まるで波紋が広がるように。
これを「光の回折現象」と言います。カメラ業界では単に回折と言われています。
その動きはまるで波そのものです。
実際には絞りの開度に関係なく回折は常に発生していますが、絞りを小さくすると回折の影響を受けずに真っすぐ通過する光の割合が減ってしまって相対的に回折の影響が大きくなるため、画面がボケてしまうのです。

なるほど。

でもね、光って粒子じゃなかったっけ。
光子とか量子とか言われて、つまり「粒」じゃなかったっけ。
粒なのに波の性質を持ってるの?
疑問を持った科学者たちが光の粒をひとつだけ投射する実験を行ったところ、やはり波のように広がるということが判明しました。

とっても不思議ですがこれは事実なので、科学者たちは「光とは波なのだ」と理解しました。

ではどのように波が広がるのかを観測するため、光の通過点に観測器を置いて光の粒の動きを確認することにしたのですが、この後、科学者たちは宇宙最大の謎に出会ってしまい衝撃を受けます。
光の粒は科学者が観測を開始したとたんに、回折を全く起こすことなく、波のように広がることもなく、ひとつの粒子として真っすぐ飛ぶようになったのです。

以上の実験は「二重スリットの実験」として、未だに全く解明されていない物理学史上最大の謎です。
宇宙のひみつを解き明かす、最重要問題とされています。

ただ、この実験結果からいくつかの想像ができます。
ひとつは観測される側と観測する側には、なんらかの未知のエネルギーもしくはリンクが介在する。
だから光子が観測されると判断すると、光子は動きを変える。
つまりあなたが街で可愛い女の子を見つけて、じっと見つめた時に、見つめられている女の子が気づいていないとしても、その女の子にはなんらかの物理的影響が及んでいる、ということ。
私は「視線を感じる」という言葉は、科学的事実なのではないかと思っています。
人はその未知のエネルギーを、古来から感じ取っているのではないか。

もうひとつは、この世界がシミュレーション世界であり、光はこの世界の処理速度の限界を示しているのではないかということ。よって世界の処理負荷を軽減するために、観測している場合と観測していない場合では別の物理現象が与えられている、ということ。
これは3DCGで用いられる手法とよく似ています。3DCGではPCの負荷を減らすために、見えない部分はレンダリングをしないとか、気が付かないようなところはレンダリングの品質や種類を変更するなどの手法がとられます。

世界は不思議で満ちています。

あなたのカメラの中には、宇宙史上最大の謎が詰まっているのです。
もしも光の回折現象を正確に解明できたら、きっと全く別次元に進化を遂げたカメラが登場するでしょう。
もちろんノーベル賞ももらえます、きっとね。


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光が上下の雲や温度変化で屈折して、複数の太陽が見える極めて不思議な日の出の写真です。しかも本物の太陽は多分写っていません。場所は岡山県牛窓。


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めちゃめちゃ視線を感じる写真です。

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