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シーカヤック、知床半島周回2018


2018年8月末。今年3度目となる北海道遠征。
羅臼在住の知人である石田さんにお願いして
知床半島先端部をシーカヤックで回ってきました。

今回は動物撮影のため、ではなく、
まだ見ぬ知床の象徴的な風景を、人力でアプローチして
間近に見てみたいというのが最大の目的。

知床に通うようになってずいぶん経ちますが、森ばかりを歩き回っていて
実は先端部に上陸するのは初めての経験。

よく見るとどこかにクマが写っています。

朝になったら一頭増えてた。

シーカヤックでのテント泊行は
仕事で行った数年前のグレイシャーベイ以来、まだ二度目。
今回も一応、撮影もしっかりしたい、ということで
パッキングにはずいぶん気を遣った。
防水袋もたくさん買ったな…。

2日目は知床岬に。
「岬をかわす…」石田さんはそういう言葉を使っていたけど
漕いでみると、なるほどかわすという日本語が実感できる地形。
風と波が出ると大変だろう…。
とはいえ、僕が行ったときは天候・海況共に恵まれ
すんなりと。

昆布漁の漁船がたくさん…。

遂に、あこがれの地に上陸。
ハマナスの花は、咲いてなかったなぁ…。
別の場所ではしっかりと咲いていたけど。

知床岬付近からの風景。

こんなところに『国境』の文字。
未開なようでいて、色々な人が来ていた場所。
これからは…?
個人的には、憧れの場所であり続けて欲しい。

岬から半島先端部を回り込んで、文吉湾付近。
ウトロ側に回り込むと、風が止み、景色も一変する。
知床では、半島の背骨である稜線が雲や風を止める。
例えば車で峠を越えると空が一変したり
山を歩いていると、稜線に雲がぶつかって渦巻いていたり…。
海でも一緒なんだなと。

定置網のカラフトマス。
当時、羅臼側はまだ少なかったけど、
ウトロ側はたくさん来ていました。

岩の合間を漕ぎ進んだり、上陸したり…。

気持ちのいい景色です。
今回は本当に天気にも海況にも恵まれていた。
プロのガイドが一緒なので安心だし、この上なく快適な旅だった。

あまりクマをじっくり見ることはできなかったけど
それでも何頭か…。(今回はクマが目的、というわけでも無かったので)

「見られている」と意識すると、知らんふりをするためなのか
こちらにお尻を向けてゴトゴト…。岩を掘り返していた。
ぜんぜん何か見つけて食べてる感じなかったし。笑)

半島の断崖には、立派な、でも無名の滝が無数にある。
野暮な言い方をすると、内地ならすぐに観光名所になりそうな。
それから、何度もなんども歩いて海を見下ろした場所を
反対側から見ることができたのも良い経験になった。

テン場にクマ、近くまでは来なかったなぁ…。

ウトロに到着。シーカヤックビギナーの僕は漕ぎ疲れた。
でも3泊4日の、本当に楽しい旅だった。

知床に通ってきて、自分の目と足で動物を追ってきたけど
最近は色々な問題を深刻に感じるようになってきて
この地への思いが、少し複雑なものになってきていた。
今まで見てこなかった、この土地の景色を見ることで、
また知床への思いが、いい意味で更新されたように思います。

石田さん、有難うございました。



いただいたサポートは、旅費や機材など新しい撮影活動の資金とさせていただき、そこで得た経験を、またこちらで皆様にシェアしていきたいと思います。