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Invent or Die - 未来の設計者たちへ:第四回 中島聡 x 増井雄一郎 書き起こし その6

2018年11月26日(月)に開催された「Invent or Die - 未来の設計者たちへ:第四回 中島聡 x 増井雄一郎」の書き起こしです。
ソフトウェアエンジニアである中島聡と、高校在学中からプログラミングをはじめ大学時代に起業、現在でも第一線で続ける有名エンジニアの増井雄一郎氏がエンジニアの未来に関して議論します。

増井:そうですね、税務上以外いらなくなる。僕、さっき言ったkitayonは元々の会社のトレタために作ったんですけど、それ作ったメンバーはトレタのメンバーではないんですよ。もともと僕の友達で作っていて、それプロジェクトとして集めて、その人たちは3〜4ヶ月毎週集まって、みんなで改良してもの作ったりとか、結構みんなで泊まりがけで合宿やったりとか、そこは実はあのプロジェクトは最終的に他のスタートアップ売却したんです。トレタじゃない会社に売却したんです。プロダクトとして売却する。作った人をつけないで。

中島:そういうプロジェクトの時って、その売れた時の報酬の分配の方法とかどうやって決めたわけ?

増井:もうそれは僕がみんなにどれくらい貢献したかって聞いてまわって、もうそれでいいやってやりました。

中島:最初に決めたわけではなく

増井:そもそもどうゆうEXITをするかはわからなくて、最終的に売れなかったらオープンソースにするかもしれないし、売れたら分配はするって形で、EXITの形はあんり思い浮かべないで作っていたので、どちらかというと僕がやりたいことにみんな、僕のこと信じてやってもらってるって形が大きく、今でも仲が良くて、今月もみんなで集まってご飯食べたりしてます。

中島:でもちょっと心配なのは、もめる可能性もあるよね。僕はこんなにやったのになんでこんなこれだけなのかとか

増井:そこは、僕が全部やって僕に信用してくれって話に、全員よく知ってる人達だったので一緒に長くやっていた人たちなので信用があったからできたてもありますね。で、ここで僕のことをよく知らないとか、それこそ別の目的があった人が一人でも入ったら多分うまくいかないと思います。

中島:トレタは大丈夫だったの?

増井:最終的にはトレタに一旦買ってもらって、そこからお金にして現物出資とかいうちょっとややこしいスキームを取りました。

中島:でもその今後ね、そういうプロジェクトを立ち上げてやるには大切だよね。

増井:そうですね。そうなるとすごく難しいと思ったのが、オープンソースの時もそう思ったんですけど日々の給与ってことを、その人のベネフィットみたいにしない短期的な価値にしないで、どうやってプロジェクトを動かしていくのがすごく難しいなと思っんですよね。食ってくのは別にあるので、その人たちをつなぎとめるって点で、お金を払うってすごくわかりやすい人の繋ぎ止め方なので、それをしないでプロジェクトをまわすってすごく大変なので、それを僕オープンソースですごく学んだので、それはすごく生きています、個別のプロジェクトをやるのに。ビジョンとか目的意識とかとかそれをどう伝えるか、ということによりますね。

中島:それは給与がそれはそういう事その給料があっても同じじゃないの?

増井:給与があると結構みんな生活のために仕方なくとかって夜中に多いんだと思うんですけど、そういうのがないと余計ちょっとないと離れちゃうので、コントロールは難しくない気がしますけど。

中島:信頼関係だったりビジョンだったり、目指しているものの志の高さだったり。すごいそれはなんかそういう話を聞くと、例えばソサエティの中でいくつかプロジェクトが立ち上がっているんだけど、やっぱり最終的に落とし所、人に汗をかいてもらった結果をどういう風に反映させていくかみたいなことは考えないとね、なんとなく空中分解しちゃう可能性もある。

増井:報酬っていうものは何にするかってのはすごく考えます。最終的にはお金にならなくても、僕喋るとかことが色々あるので名前を出したりとか、これを作りましたって結構仕事だとどれ作ったとか言えないことが多いので契約の関係で。だけどちゃんとオープンソースにすれば僕はこういうのを作った、これだけの精度をあげましたと言えるので、そういったことができるようにちゃんと取りまとめますとか、そういったことをお金にならなくてもそう言ったことをこう価値にできるようにってことはするつもりでした。

中島:まあオープンソースだとソースコードまで見えるしコミットの数まで見えるからね。Gitってのは何かって知らない人もいたので、話をしたりもしたんですよ。Gitってすごいんですよ本当にその複数の人たちがひとつのソースコードに変更してお互いに行こうコードを見ることができるけど記録が残るんですよ。誰が何行目にこれを入れたのは誰みたいのが全部わかるので、それはそのエンジニアの履歴としてはすごいですよ。contributerの歴史

増井:僕、アメリカ行く前、10年ぐらい前の話、ある会社のコンサルティング、それこそ大手の会社のコンサルティングに行った時にそのGitじゃなく subversion という同じような仕組みで記録できるのがあるんですけど、それを入れたいっていうエンジニアと話をしたんですけど、経営層が全部ダメって言って、何故かって言うと誰かがバグを起こしたか分かると犯人探しが始まるので絶対入れないっていいて最後まで導入できなかったってことがあります。で、zipで全部管理して、誰が犯人か追って最終的にはなぜかっていうとメンバー起こした奴は全部いなくなった人か外注が起こしたバグっていうことにバグ表上なってるらしいです。中のエンジニアは誰もバグを起こしてないってなってるらしくて。面白い。

中島:あともう一つ聞きたかったのは、今割とだからその気軽に、何て言うの今回もね、やめたし、辞めるって事は食おうと思えば食える

増井:そうですね、はい。

中島:起業しようと思うできると思うわけじゃん。その辺のその環境的には良くなってると思う?

増井:すごく良くなっていると思います。今、それこそちゃんとGitとかQiitaとかネットに色んな技術的なこと書くことで、あのランキングに載ってる人であれば。最近よくあるんですよ、Twitter に僕転職したいんですけどって書くと、10件とか20件とかオファーが普通にくるみたいです。なのでメディアとかに乗っていなくても、そういったものを見ていて判断されるケースが増えていて、圧倒的にこの一年二年にで楽になったんだと思ういます。

中島:アメリカほら何だっけスタックオーバーフローとかあるから、日本もそれが整ってきたか感じ。そうすると人が動き始めるかもしれない。

増井:そういう意味では転職しやすくはなったんですけど、すごく数が増えてるかって言うとそうではなくて、もともと動いていた人が動きやすくなっただけに見えます。今まで転職しなかった人とか大きな会社にいた人が、それを使って転職しようっていう風になってるようには見えない。

中島:流動化が起こっているわけではなく?

増井:流動の回数は増えている感じがします。量が増えている感じはしないです。動きやすくなっただけで、全体の量自体は増えていない感じがします。

中島:僕はどうやったらその流動化できるかみたいに思うよね。特にそのほら、大きい会社に長くいればいるほど会社に最適化されちゃうわけじゃない、だからそも前に動いて欲しいわけだし。

増井:一つは、例えばスタートアップにいると大きい会社から転職ってそもそも来ないんですよ、応募が。一つはテクノロジースタックがけっこう違うので、大きい会社は今でもJava使ったりとか、だけど今スタートアップであまりJavaを使ったりとかないので、そのテクノロジースタックが違うから応募できないと思っている感じがしますね。

中島:勉強すりゃいいんだからね。

増井:そうですね。みんな勉強しないんですよ。仕事のこと以外。仕事で言われたこと以外みんな勉強しないので、そこが超えられるかどうかが、その転職しやすいかどうかに凄かかっている気がします。

中島:NTTからGoogleに行った人?NTTで 普通に働いてたらGoogle入れないよね?多分彼は勉強してたよね。

増井:あとそうゆう友人が近くにいたとか、研究の内容的にその新しいことを何かやっていたとか。

中島:AIとかやっていていれば。でもね、それは在るね。ミスマッチが起こっちゃうことが。

増井:逆に僕らが大企業に行けないってのもあるんです。ま、行かないですけど。今からJava勉強しようと思わないですけど。そこのテクノロジースタックのギャップはけっこうします。アメリカの大きな会社ってどうなんですかね?スタートアップと。

中島:緩やかなあれがあるかも、日本の場合業務系とそうじゃないところは。でもアメリカはなだらかにあって、スタートアップでもJavaやってるとこもあれば、大企業中でもNode.jsを使ってるとこみたいのがあるから、割とそれはそんなに崖みたいなところはない。

増井:大きな谷はないんですね。

中島:その一つの理由は、アメリカはけっこう大きな会社は内部でエンジニア抱えて開発したりしている、そうするとエンジニアたちがやっぱり自分の転職のことを考えて、何か新しいテクノロジーを使いたがるとか。

増井:ロックインされないように気をつけてますよね。その会社に属するとか、この会社にってのが多いのは、もうその視点から離れられないんだろうないって。どの会社に入るのが大事って結構みんなあるので、特にその一番初めに入る時からそうゆうつもりで入ってると思うから、もう転職するってことはそもそも頭にないですよね。

中島:そういえば思い出したんだけど、1年ぐらい前にそのとある大きな会社に、UIE、Xevoって名前に変わったんだけど、そこがソフトウェアを作っておろしてたんだけど、そこでアクセンチャーが全体システムをシステムインテグレーターとして、そこでいろんな会話をしてた時に、モバイルのアプリを作ってて、うちはiOSのアプリとAndroidのアプリを別々にネイティブにゴリゴリ作っていたんだけど、アクセンチャーの担当者がものすごくReactNativeにしたがるわけよ、それでその全体の会議でもReactが正しいとかものすごい主張して、けっこう会議が揉めて、会議の後にそいつとちょっと話して「お前なんであんなReactNativeっていの?」って言ったら「俺自身が勉強したいから」すごい正直な答えが返ってきて、

増井:完全に自己都合ですね。

中島:で、彼はアクセンチャーで今たまたまそうゆう仕事をしているけど、やっぱReactNativeを勉強してるとどっかに転職しやすいと考えているんですよ。そうゆうことアメリカ人平気でしますよ。

増井:そうですね、そんなイメージはあります。

中島:だから、そうゆうことが起こっているから、たぶん日本と違ってなだらかなカーブ。そもそものだから人が動きやすいからこそみたいなのはある。


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