おうち時間に今更『ブック・オブ・ライフ』漬けになっちゃえばいいじゃない

隙あらばプレイしているスマホ用のパズルゲーム(アプリ)がある。

スマホを触れば軽率に立ち上げてしまう。移動中や隙間時間に必ずといっていいほど遊んでしまう。何なら家でドラマや映画を見ている最中、退屈だなと思ったらプレイしてしまうこともある。触るとなんだか、安心する。

はっきり言って中毒だと思う。


ゲームの名をシュガースマッシュ:ブック・オブ・ライフという。

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画像引用:APP STORE『シュガースマッシュ:ブック・オブ・ライフ』

マス目にぎっしり並んだ星、月、ハートなどさまざまなモチーフのカラフルなお菓子を、3つ以上並べて消していくパズルゲームだ。一度にたくさんのお菓子を消すと、それひとつで「タテ一列消せる」「ヨコ一列消せる」特殊なお菓子が出現し、消し方を工夫すればコンボやハイスコアが狙えるという仕組みで、"連鎖"が決まったときはなかなかな爽快感を味わえる。

1つのステージをクリアするまでには、ゴルフのように「打数」が決まっており、定められた回数のなかでお菓子を消し切らないと次に進めない。(回数を残した状態でクリアすると、余った分がスコアに加算される)

ステージを重ねるごとにギミックが増え難易度も上がっていくが、同時に「お助けアイテム(使用回数上限あり)」的な存在も充実していく。

指定したものと同じ種類のお菓子を画面から一掃する「爆弾」、指定した一列をまるごと食べ尽くす「豚」、好きなお菓子を別のマスのお菓子とひとつだけ入れ替える「手」などなど…

シンプルで心地よい操作感と相まって、かわいらしいキャラクターとポップなエフェクトがどうにも楽しく、飽きがこないのだ。

何度か負け越すと、この手のアプリにありがちな「引き続きプレイするなら課金」もしくは「数時間後に無料で再開」となる。

「とりあえず課金のアナウンスが出たらやめにそよう」と心に誓うも、かなりの頻度でボーナス的に「今から1時間無制限でやり放題!」タイムが訪れるため、やめどきがなかなか訪れない。ゆえに私は今日まで一度たりとも課金せずに楽しく遊んでいる。遊べてしまっている。ありがとうございます。

過去のメディアの紹介記事を見ると、登場した当時は「400ステージ以上で遊べる」と謳われていたこのゲームも、なんやかんやアップデートが繰り返されているようで、私の画面では「2294ステージ」と表示されている。「隙間時間にプレイ」とはいえ3年以上は遊んでいると思うけど、え、そう考えると実は全然進んでない…?

「ポケモンGO」も「ポケ森」も「ドラクエウォーク」もひと月ほどで飽きてしまったのに、「シュガースマッシュ」は3年以上続いている。パズルゲーは無意識というか無感覚で出来るので、暇つぶしには本当に最適だし、テレワークの機会がぐんと増えた最近はぶっちゃけ打ち合わせ中にモニターの死角で「シュガースマッシュ」をやりたくて仕方がない。

もはや中毒なので「触っていると安心するから」プレイしているに過ぎず、握るとぶにゅぶにゅする柔らかいボールとかそういうのと同じ類です。

大変コスパの良い精神安定剤なので、未プレイの方はぜひ一度触ってみていただきたい。めちゃくちゃ既視感のあるパズルゲー、だからこそ親しみやすいし、絵も可愛いから…。


そして映画ファンの方はお気づきの通り、このゲームの元ネタは、20世紀FOX(当時)のCGアニメ映画『ブック・オブ・ライフ 〜マノロの数奇な冒険〜だ。

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(c) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation and Reel FX Productions II, LLC. All rights reserved

よく映画公開記念で作品のキャラクターを使ったパズルゲームが登場するが、こちらもそれらと同様。(そういえば『アナ雪』も『マレフィセント』もやったな…)

タイトルにも『ブック・オブ・ライフ』と入っているからそれ以外の何者でもないのだが、こちらの映画は日本で劇場公開されないいわゆる「DVDスルー」作品だったので、知名度が圧倒的に低い。

そんな中で私が制作発表時から知っていたのは、敬愛するギレルモ・デル・トロ製作アニメで、しかも題材がメキシコの「死者の日」というぶちアゲ案件だったから。

完全に"その筋の人"に向けられた要素が満載でありながら、描かれるのは老若男女誰にでも優しく刺さる、神話めいた愛と冒険の物語。

…なんだけれども、「死者の日」アニメというと十中八九ディズニー/ピクサーの大傑作『リメンバー・ミー』を引き合いに出され人気度で爆死する。

まあ死者の日だけでなく、あの独特なメイクとか「忘れられたときが本当の死」設定とか、メキシコの素敵な言い伝えや概念が、両作で共に登場するので、どうしても似た印象を与えがちなのだけれども…。

ちなみに世界での公開は、『ブック・オブ・ライフ』(2014)のほうが『リメンバー・ミー』(2017)より先。世界興行収入だと『ブック・オブ・ライフ』は9980万ドル、『リメンバー・ミー 』は7億ドル越えと桁違いなので、ここは「先輩を敬え」の精神を重視して、なんとか『ブック・オブ・ライフ』がもう少し崇め奉られてほしいなと思う次第。

そんなわけで世界的人気作の『リメンバー・ミー』の説明は割愛するが、『ブック・オブ・ライフ』は、要は「暇を持て余した神々の遊び」だ。

死者の国を支配する死神男女が、お互いの支配領地を賭けてある遊びを思いつく。

・闘牛士の家系に生まれながら、音楽家を夢見る優しいギター弾き【マノロ】
・筋骨隆々で勇敢な軍人の息子【ホアキン】
・自由で気高く美しい将軍の娘【マリア】

彼らは幼なじみながら、男が二人とも女に恋する<三角関係>で、死神たちは「自分が選んだ男が女と結婚すれば勝ち」というルールで賭けを始める。

ところが死神たちは負けず嫌いなので、何かと人間たちにちょっかいを出したりズルをしたり、お互い妨害工作に余念がない。そんななかで大変な事故が発生、ギター弾きは死神の陰謀かな命を落とし死者の国へ━。

果たしてギター弾きは死者の国から生還できるのか?娘と結ばれるのはどちらなのか?戦うことよりも大切なこととは?死神たちの本当の目的は!?

もうね、大冒険。


「死者の国」の鮮やかさ、手に汗握る展開、人間的で魅力いっぱいのキャラクター…
アニメでこそ観たい景色やシーンが満載だ。

声の出演もね、"その筋の人"大好物な超豪華キャストが勢ぞろい。
マノロはディエゴ・ルナ、ホアキンはチャニング・テイタム、マリアはゾーイ・サルダナで、男の死神はロン・パールマン。そう、死神の声はヘルボーイなのだ。デルトロ印。

何しろ結末が最高。思わず目を細めながら「なーんーだーよー」とつぶやいてしまうこと間違いなしなので、見届けていただきたい。

そして観終わったら「シュガースマッシュ」をDLするのが良い、映画のキャラクターも出てくるから。やめどきがわからなくなるまで遊んだら良い、まだまだおうち時間が推奨されるのだから。

最高のおこもりプラン、できたね…。

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