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宮城・閖上の「北限の生しらす」で福島の日本酒を

 先日の晩酌風景。

ある日のおうち居酒屋

 宮城・閖上(ゆりあげ)産の生しらす
 宮城・石巻産のホウボウのお刺身
 青森・陸奥湾産のベビーホタテと山形・東根産の空心菜の青森県産ニンニク炒め
 冷奴に宮城・蔵王産の梅紫蘇のせ

 仕事帰り、閉店時間直前の「仙台杜の市場」に寄ったところ。お気に入りの鮮魚店「渡憲」さんで閖上のしらすと石巻のホウボウが安くなっていた。

宮城・閖上の「北限の生しらす」


 私も夫も、しらすが大好物である。
 ふわふわの釜揚げしらすは、ご飯がすすんで止まらないことこの上ない。また食感も楽しい生しらすは、日本酒との相性抜群のご馳走である。
 どちらも美味しいが、生しらすをいただけるのは、旬の時期だけ。

 そんな貴重な生しらす。この日は、わさび醤油につけていただいた。

生しらす

 「うわ美味ぇ・・・」

 ひと口食べて、夫がしみじみと言う。生しらすを味わうのは久しぶり。しかも、閖上の北限の生しらすとなれば美味しさも格別。

 「なんか、変な言い方だけど、〝生の魚食ってるー!”って感動があるよね」
 「あー、なんかちょっと分かる!頭からしっぽまで食べてる感じ!」
 「そう!まるごと食べてる感じが凄い!」

 トロリとした生しらすは、噛むと口の中でしゃりっとかすかな音を立てる。たっぷりの甘味とほんのりとしたワタの苦味とが絶妙。少しの醤油とワサビが良いアクセントになって、箸が止まらない美味しさである。

宮城・石巻産ホウボウのお刺身


 「ホウボウ、やっぱ刺身も美味ぇな」

 お盆の帰省の際に石巻漁港水揚げのホウボウを買い求めて唐揚げで美味しくいただいたばかりではあるが、刺身も美味い。
 白身魚の刺身ではあるが、あっさり淡白というよりむしろ旨味濃厚。噛めば噛むほど美味しさが口の中に広がる。
 しみじみと、美味い。

 青森・陸奥湾産のベビーホタテと
山形・東根産の空心菜の
青森県産ニンニク炒め


 「このホタテと空芯菜も美味いな」
 「でしょ?空芯菜、安かったの。東根のだよ。」

 そう、最近は葉物野菜の中でも、空芯菜がとびきりのお手頃価格なのである。
 しかも、美味しいのだからありがたい。

 「ホタテも美味いな」
 「ホタテは青森。陸奥湾のだった。」
 「美味いな」
 「美味しいよね」

 ホタテはもう、美味しいとしか言いようが無い。
 高級品だったはずのホタテの価格が下がってしまった経緯について思うところも無いわけでは無いが、生産者の方々に非は全く無いわけで、私は何か語るよりも自分で働いて稼いだ金で買ってもりもり食べる側でありたいと思う。
 単純な話、こんなに美味しいものを日常の食卓でいただけるのは、幸せである。

 ちなみに空芯菜の炒めものは、粉末タイプの中華だしや中華スープの素さえ買い置きしておけば、意外と短時間で作れるお気軽メニューである。
 今回は、空芯菜一束を洗って5センチほどの長さにざく切り。ニンニクは一片をみじん切りに。ベビーホタテはボイルされたものを使った。
 熱したフライパンにサラダ油大さじ1を入れ、刻んだニンニクを入れて炒める。ニンニクが色付いたら空芯菜を加えて軽く塩コショウを振る。
 空芯菜に火が通って少しクタッとしたところでベビーホタテを加え、小さじ1杯ほどの中華スープの素を料理酒大さじ2で溶いたものをさっと回しかける。菜箸で全体をぐるっと混ぜて全体に味が馴染めば、夏の定番・空芯菜とベビーホタテのニンニク炒めの出来上がりである。
 これがまた、ビールはもちろん、日本酒にも合う。


仙台杜の市場内の「みちのく酒紀行」さんで買ってきた
福島県南会津郡南会津町「国権酒造」さんの「国権 純米酒」


 この日も、東北各地の美味しい食材とお酒で、幸せな晩酌のひとときを過ごした。





 台風や大雨が心配な日が続いている。
 どの地域のどの街でも、これ以上被害が広がらないよう、今は願うばかりである。
 地元はもちろん、全国各地で農作物を作ってくださる方々や水産業に携わる方々に感謝して、美味しく食べて暮らす日々を守ってゆきたいと思う。


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